本日台湾政府は記者会見を開き、現在輸入を停止している福島県、栃木県、群馬県、茨城県、千葉県産食品の輸入解禁を宣言しました。
2011年の東日本大震災が原因で引き起こされた福島第一原発事故による放射性物質汚染を受け、台湾では福島県及その周辺の栃木県、群馬県、茨城県、千葉県産の食品輸入を停止していました。
しかし、事故から11年経つ現在、放射性物質汚染を理由に福島県+4県産の食品輸入を禁止しているのは、中国と台湾の2カ国のみです。
これまで日本政府が再三にわたり台湾政府に対して輸入禁止の解禁をもとめてきたにもかかわらず、なかなか解禁に踏み切られてこなかったのは、国民党による妨害工作の影響もあります。
国民党は福島県産などの食品を「核食」と呼び、現在でもなお放射線汚染のリスクがあるかのように宣伝してきました。台湾ではそのせいでいまだに福島県産食品に警戒感を抱く人も少なくありません。日本人ですら今でも福島県産=汚染食品だなどと言っている頭が弱い層がいますから、ある程度の風評被害はやむなしといったところもあるとはいえ、少なくとも現在市場に出回っている食品は、福島産であれ近隣各県産であれ問題になるような汚染食品はないことは、普通に日本で生活していればわかることです。これは、放射線の影響が少なくなっていることもさることながら、福島県や周辺各県の生産者のみなさんなどが、きちんと検査を行って安全性を高めて来た努力の賜物でもあります。
台湾政府は本日、台湾は国際基準よりも厳格な基準を設けて検査を行い、絶対に汚染された食品は台湾に入れないとした上で、福島県+5県の食品輸入を解禁することを宣言しています。
これは日台関係の緊密化のみならず、台湾が目指すCPTPP加入のためにも必要なことです。CPTPPは自由貿易協定的な要素を含む経済連携協定ですから、基準を超える汚染などないにもかかわらず根拠になるような理由もなく輸入禁止措置をとることは許されません。
蔡英文政権は馬英九政権時に推進された貿易面での中国依存体質からの脱却を目指しており、CPTPP加入はそのためにも不可欠なこと。福島+4県からの食品輸入禁止を撤廃するのは急務でした。
逆の観点から見ると、国民党がひたすら「核食」輸入を認めないと叫んできたのは、台湾のCPTPP加入を阻止する目的があったものと思われます。
現在の国民党がすでに中国共産党の意向を受けて動いているのは周知のこと。中国にとっては台湾がCPTPPに加入して対中依存から脱却するのは都合の悪いことです。そこで国民党を使嗾して、むやみに福島県産食品の危険性をあおらせ、台湾国内での拒否感を強めることで輸入解禁をしにくくしてきたということは十分考えられます。
現在は中国が台湾を侵略するために国共合作を行っていると見るべきです。
実際、蔡英文総統がFacebookで「科学的根拠に立ち返る」として福島県産食品輸入解禁を報告したタイムラインには否定的なコメントが多数寄せられており、これは100%とまでは言わないまでも大部分は国民党や支持者による工作でしょう。中には中国共産党からお金をもらっている五毛党もいるかもしれません。
台湾が世界に向かって開かれれば開かれるほど侵略はしにくくなりますから、中共にとってどんな手段をとってでも阻止したいことなのでしょう。日本政府はここを踏まえて台湾のCPTPP加入を支持していかなければなりませんが、はたして岸田総理にそれができるんでしょうかね?