林昶佐立法委員のリコール案否決

本日行われた無所属の立法議員・林昶佐氏のリコールを問う投票で、同意票が不同意票を上回ったものの、リコール成立に必要な有効投票率25%は超えず、辛くもリコールが不成立に終わりました。

林昶佐氏は台北市の中正区、萬華区よりなる台北市第5区選出の立法委員で、2016年の初当選、2020年の再選を経て2期目。立法委員に当選する以前から「李登輝学校」出身の本土派として知られ、台湾独立運動にも非常に強い影響を与える人物です。

当選後は、与党民進党に対して党外協力を行い、蔡英文政権と良好な関係を結ぶ傍ら、地元の様々な問題を解決するなど目覚ましい活躍を見せていました。

立法委員として何ら過失がないどころか、貢献度も高い同氏に対してリコール案が持ち上がった理由として、まず韓国瑜高雄市長(当時)のリコール成立に対する国民党の報復が考えられます。

特に、中国による圧力に強く対抗する林氏のような無所属の本土派立法院はターゲットになりやすかったのだと思われます。

もう一つ、林氏が国防外交委員会に所属しており、委員会での予算案の成否を左右するキーマンだからだという理由も考えられます。

同じく国防外交委員会に所属していた台湾基進党の陳柏惟氏は昨年すでにリコールが成立しており、林氏のリコールが決まると与党側の票がさらに減ることになって国民党、あるいはその背後にいる中国共産党にとって都合がよくなるという状況でした。

今回リコールが不成立になったことで国防外交委員会のパワーバランスは与党有利の状況が保たれることになります。

一方、同日に台中市で行われた陳柏惟氏辞任後の補選は、前回の立法委員選挙では、国民党からは陳柏惟氏に敗れた顔寛恒氏、民進党からは林静儀氏が出馬し、林氏が当選を果たしています。

顔寛恒氏は父親の顔清標氏の地盤を引き継いでいた2世議員で、台中の黒社会との繋がりが強く、特に若い世代に顔家への拒否感が強くなっていました。

一方当選した林静儀は産婦人科の医師で、2016年に立法委員に当選。民進党の国際事務部主任を務めていました。