売台勢力の策謀により陳柏惟立法委員のリコールが成立

ここのところの台湾政界の話題は、台中市選出の立法委員陳柏惟氏のリコール問題でした。

その経緯については東洋経済オンラインに掲載されたジャーナリスト高橋正成氏の「議員へのリコールを推進する中国国民党の事情」が非常にわかりやすくまとめられているので読んでいただきたいのですが、ここでも若干の補足を加えながら説明します。

まず陳柏惟氏は陳奕齊氏を党首とする台湾基進党所属で、映画マンから政界に進出。昨年行われた立法委員選挙で台中選挙区から立候補し、中国国民党所属の顏寬恆氏を破り当選しました。

台湾基進党は台湾独立を強く訴えるいわゆる「深緑」政党であり、陳柏惟氏は結党以来初めてかつ唯一の立法委員でした。

発端は台中市の楊文元なる人物が、国民党所属の台中市市会議員羅廷瑋氏、大里区の里長鄭伯其とともに、陳氏のリコールを求める署名活動を始めたことにあります。

この楊文元氏は、調べてもどのような人物かまったく出てこない謎の人物で、本人は無党派を自称しています。

楊氏は、陳氏の公約違反が見ていられずに署名活動を立ち上げたとしています。

しかし陳氏は「抗中保台」つまり中国に対抗して台湾を守ることを掲げており、当選後も中国を批判し台湾を主体とする活動を続けており、この公約違反が何を意味しているのか具体的なことはわかりません。

推測になりますが、台湾の「公職人員選挙罷免法」では立法委員が選出された選挙区の有権者のみがリコールを求めることができることになっているので、楊文元氏はそのタテマエ上選ばれた傀儡であり、その裏にいるのはやはり国民党でしょう。

この署名活動が始められてから、まず陳氏に敗れた顏寬恆氏がこのリコール運動に参加。顔氏はまあ落選した一般人という立場であり、かつ台中市の選挙区民であることも確かですから、こちらもタテマエ上はリコールを求める権利はあります。

しかしその後、国民党の主席に返り咲いた朱立倫氏、前国民党主席の江啓臣氏など国民党の重鎮がこのリコール運動支持を表明しだしました。

形としては側面支援ではあっても、実際のところ国民党が主体となっていることは明らかです。

ではなぜ、国民党がここまで必死になりふりかまわず陳氏のリコールを推進したのか。それは髙橋氏の記事で指摘する国防外交委員会を担当する本土派立法委員を削りたい意図があったからというのが当たっていると思われます。

髙橋氏は、国民党が自主的に中国への点数稼ぎのためにやっていると推測していますが、私は国民党が直接中国からの指令を受けて行っている可能性のほうが高いと思っています。

本日台中市で行われた陳氏のリコールを問う投票で、同意が7万7899票、同意せずが7万3433票という結果が出ました。

これにより、同意票が不同意票を上回る、同意票数が選挙区民の1/4を上回るという条件が満たされ、陳柏惟氏のリコールが成立することとなりました。

こういうことが起こってしまうから、「現状維持」ではだめなんです。

これは明確に中国による統一戦線=台湾侵略作戦の一環です。中国としても、アメリカが介入してくる可能性が高い武力侵攻よりも、国民党を使嗾して台湾の内部から切り崩したほうが楽ですから、今後もこうした攻撃は様々な形で行われるでしょう。

それを防ぐには、中華民国体制を捨て、台湾国を建てるしかありません。