5月に台湾での武漢肺炎感染拡大が始まって以降、国民党はここぞとばかりに政府を非難し、先日中国もそれに乗っかる形で、台湾での感染拡大は蔡総統の責任云々という寝言を言い出し失笑を買いました。
では実際の感染状況はどうでしょうか?
衛生福利部の公式発表をもとに、7月1日からの台湾国内新規感染者数を並べてみます。
7/1 | 7/2 | 7/3 | 7/4 | 7/5 | 7/6 | 7/7 | 7/8 |
47 | 57 | 76 | 37 | 28 | 27 | 39 | 18 |
多少の増減はあるものの、最盛期では1日に500人を超える新規感染者が出た状況から2ヶ月足らずでここまで減らしています。
これは徹底した隔離と、クラスターが発生した地域や濃厚接触者への積極的なPCR検査が功を奏した形です。
また台湾では軍の科学部隊による市中の消毒作戦、ホテルなど不特定の人が行き来する施設の消毒も行われています。
新型コロナウイルスは無機物に付着した状態でも数時間から数日は感染力を保つと言われているので、おそらくこれも感染抑制に一定の効果をあらわしているものと思われます。
しかし、政府はインド型デルタ株の流入も確認されていることから、現在行われている第3級警戒態勢は7月12日まで延長し、そこから徐々に制限を解除していくという方針を本日表明しました。
※追記:この記事を書いた後に第3級警戒態勢の26日までの延長が発表されました。
新規感染者数が下げ止まっているのに緊急事態宣言を解除し、増えたらまたあわてて宣言をするという間抜けな対応を続けるどこかの国とは大違いです。
5月以降の対策を見ても蔡政府の防疫を低く評価する人はいないでしょう。普通の知能があるならば。
さて本日7月8日には、日本からのアストラゼネカ製ワクチン113万回分が台湾に到着しました。これは6月に行われた日本からのワクチン供与に続く第2弾です。
蔡英文総統によれば、日本、アメリカから供与された分と台湾政府が自ら購入した分に本日日本から到着した分を合わせると、700万回分以上のワクチンを確保したことになるとのこと。
台湾の人国はおおよそ2,400万人なのでまだまだ足りないものの、ワクチン接種は確実に進められています。
すでに唐鳳IT大臣謹製のワクチン接種予約システムの運用が決まっており、またネットを使えない高齢者のために、マスクの実名販売で用いたルートを使って薬局などでも予約ができるようになっています。
まだ予断を許さないとはいえ、台湾が日常生活を取り戻す日は近いのではないかと思われます。