スパゲティナポリタンに天津丼、台湾ラーメンや台湾まぜそば等日本には外国の地名を冠していながらその現地にはない食べ物がたくさんあります。
トルコライスに至ってはトルコを冠していながら豚肉を使っています。しかも、日本ではトルコライスをトルコに広めようという動きもあったとかで、この国際感覚や宗教への敬意の欠如ぶりは目を覆うものがあります。
最近ある企業が意図的に広めようとしている現地にはない食べ物が「台湾メロンパン」です。
台湾メロンパンは様々なメディアで紹介されていますが、その紹介文はほぼ同じ。「台湾メロンパン」が「台湾の屋台の定番」というものです。
雑誌やネットメディアの記事は編集側が取材して書くものと思い込んでいる人もいるでしょう。しかし、実際には企業が金を払って記事という体裁で載せる宣伝も少なくありません。
今流れている「台湾メロンパン」の記事は、あからさまな宣伝です。
「台湾メロンパン」は「台湾の屋台の定番」などではない
現在日本で「台湾メロンパン」として売られているのは「波羅油」というものです。これは「波羅包」にバターを挟んだもの。
この波羅油や波羅包は、香港の茶餐廳文化の中で生まれた香港発祥の食べ物です。
私も台湾に住んでいる時に波羅油を食べたことがあります。西門町の「祥發港式茶餐廳」つまり香港式の茶餐廳で。
私は2001年から2019年まで毎年台湾に行っているし、行くたびに必ず夜市に行きます。2015年の12月から2017年の1月までの1年ちょっとの間は台北に住んでいました。
その間波羅油が屋台で売られているのを見たことがありません。波羅油が台湾の屋台の定番などであるはずがない。だって香港のものですから。
もちろん台湾でも香港式茶餐廳やパン屋さんに行けば「波羅包」、つまりパイナップルパンは売られています。しかし、日本のメロンパンも「波羅包」として売られているため、混同を避けるため港式波羅包として売られています。
だからといって波羅包が台湾発祥のものだなどと言い出す台湾人はいません。
ではなぜ香港発祥の波羅包や波羅油を「台湾メロンパン」だなどと明らかな嘘をついて売っているのか。
それは今の日本では「台湾○○」として売ったほうが受けが良いからでしょう。
「台湾カステラ」は、実際淡水などで売られているヒット商品を元に作られているので嘘ではありません。
でも「台湾メロンパン」は台湾人気に便乗した大嘘です。
やたら金を使って各種メディアにインチキな記事を書かせているのは、そうやって宣伝すれば自分の頭で考えることをしないアホが騙されて買うからです。
嘘も100回繰り返せば本当になるという宣伝工作はどこかで見たことがありますね。例えば南京大虐殺なんていうヨタ話とか。慰安婦像とか。
この嘘を重ねてアホに信じ込ませようというやり口は、あそこらへんの連中と同じ臭いを感じます。