昨日中国の国防部呉謙報道官は定例会見において台湾独立派戦争を意味するという恫喝を行いました。
ちなみに日本では人民解放軍が中国軍と報じられていますが、人民解放軍は中国共産党の私兵集団であって中国の国軍ではありません。
さて、中国側からこういうのが出ると、頭が弱いネトウヨの類が脊髄反射で「台湾の中国からの独立を支持する」などと言い出したりするのですが、それは中共の思うつぼだと指摘しておきましょう。
そもそも台湾は中国の領土ではない
ここ最近、台湾海峡の台湾領海内では人民解放軍の活動が活発化しています。
これについて、呉謙報道官は台湾海峡の安全保障を守るためだなどと言い出しました。なかなかのギャグセンスです。
そして、台湾は分裂すべきではない中国の一部だという決り文句を繰り返しました。
こうした中国側の発言はすべてプロパガンダです。
虚偽を繰り返すことで真実だと思わせるというのは中共のいつもの手ですが、これもその一つ。
彼らはこうしたプロパガンダで台湾は現状中国の領土の一部であるという印象を広めたいのです。
で、情弱のバカなネトウヨがそれに乗せられて「台湾が”中国から”独立するのを支持する」などと言い出す。
しかし台湾が”中国から”独立すべきというのは、裏を返せば台湾が中国に属していると認識しているということになります。
まんまと中共の思惑に乗せられているというわけです。
このブログではもう何度も何度も繰り返していますが、台湾は中国の領土ではないので中国から独立する必要はありません。
台湾がすべきことは中華民国という国号と中華民国憲法を破棄すること。
中華民国という有名無実な国号を捨てて台湾国となるのが台湾独立です。そこに中国は一切関係ありません。
中共が「一つの中国」原則をひたすら繰り返し、他国に強要するのはそうなったら困るからです。
一つの中国原則というのは、中華人民共和国と中華民国、どちらが中国を名乗るか曖昧にするための方便でしかありません。
しかし、民主化を果たし、台湾人政権になっている今。台湾にとって「一つの中国」などどうでもいいこと。
台湾が中華民国の名を捨ててしまえば、あとは中国が勝手に唯一の中国を名乗っていればいいですよ程度のものです。
ところがそうなってしまうと、中国は台湾を侵略しにくくなる。
台湾を中国の領土だと言い張っておけば、侵略しても国内問題だと言い張れる。実際チベットはそうして侵略されました。
だからどうしても、台湾が中国の領土だと言い張っておきたい。
台湾が中国からのこういうウザ絡みから逃れるのは台湾国として独立してしまうのが手っ取り早いけれど話はそう簡単ではありません。
台湾が台湾として正式に独立宣言をした場合、中国からミサイルが降ってくるかもしれないと心配する台湾人は多いです。
民主化を果たしたからこそ、中国の攻撃を恐れた人から支持を失えば時代が逆戻りしかねない。だから、李登輝総統も陳水扁総統も中華民国を破棄することまではできなかった。蔡英文総統の立場も同じです。
そういう意味で、中国の文攻武嚇はそれなりに効果を発揮しています。
また、馬英九など国民党内の統一派、それに追随する統一派メディアも中国と同調して中国の脅威を宣伝するので、なかなか中華民国を捨てられません。
しかし、武漢肺炎ウイルスの拡散を契機に、蔡総統はアメリカと関係を強め、欧州の民主国家からの支持もとりつけました。先進国でいまだに中国に忖度をし続けているのは日本ぐらいのものです。
中国はこの現状に焦っているでしょうね。
台湾が国として各国に承認されれば、いくら中国といえども堂々と侵略することはできません。
だから必死にプロパガンダを繰り返しているわけですが、中国のやることはだいたい裏目にでるのでやらせておけばいいと思います。