世界中の美食を地図上に表示し、その料理をクリックするると登録されたレストランが表示されるwebサイト「tasteatlas」をご存知でしょうか?
中国共産党のせいで国から出られない今、ここで紹介されているおいしそうな料理を見てちょっとした旅行気分を楽しむことができます。そして冷静になるといささか虚しくなります。
擔仔麵が世界の伝統レストランベスト100にランクイン
tasteatlasは、「tasteatlas AWARDS 2020 The Best Traditional Restaurants of the World」を発表しました。
これはフードプロフェッショナルが選んだというものです。
ベスト100といっても順位をつけるものではなく、100種類のお勧め料理と、その料理を出す代表的なレストランが紹介されているというスタイル。
その中に、台南名物擔仔麵と、元祖擔仔麵の度小月がランクインしました。
擔仔麵は、台南のある漁師が天候不順で漁に出られない時の副業として始めたもの。
擔仔は天秤棒のことで、天秤棒に道具をひっかけて担いで移動して売っていたので擔仔麵と呼ばれます。
そのため、小さな器に少量の麺とスープを盛って供されます。
これが評判となって、1895年に元祖擔仔麵の店「度小月」が開店しました。1895年はちょうど台湾が日本の統治下に入った年です。
度小月は今では桃園国際空港のフードコートにもあって、擔仔麵は台南どころか台湾を代表する料理の一つとなっています。
ところで以前、台湾グルメを紹介する本で擔仔麵が担々麺と紹介されていたことがありました。
確かに天秤棒でかついで売りに行ったものが元祖という点では擔仔麵と担々麺は共通しています。
しかし、台南発祥の擔仔麵と中国の四川発祥の担々麺を混同するのはさすがにおまえ頭大丈夫か?となりましたね。
それはさておき「The Best Traditional Restaurants of the World」にはやたら香港の料理が入っているのに、台湾の料理でランクインしているのは擔仔麵だけと、これを選んだフードプロフェッショナルとやらの調査能力に疑問を持たざるを得ません。なんなら100のうち半分は台湾で埋まってもいいぐらいだと思うのですが。