習近平が皇帝化を目指し台湾侵略工作を強化

「中国共産党統一戦線工作条例(試行)」は2015年の9月に公布された中国による台湾侵略の意図を明文化した条例です。

この条例では、統一戦線を「中国共産党をリーダーとし、工農連盟を基礎とし、全ての社会主義労働でゃ、社会主義事業建設者を含み、社会主義愛国者を支え、祖国統一と中華民族の偉大な復興に力を注ぐ愛国者を守る連盟である」とキチガイじみた定義をしています。

また、統一戦線の範囲と対象として

  1. 民主党派構成員
  2. 無党派人士
  3. 党外知識分子
  4. 少数民族
  5. 宗教界
  6. 非公有制経済人士
  7. 新しい社会階層
  8. 出国・帰国した留学生
  9. 香港同胞、マカオ同胞
  10. 台湾同胞及びその中国在住の親戚
  11. 華僑とその中国在住の親戚、中国に帰国した華僑
  12. その他連携と団結を要する人員

と、やたら細かく規定しています。

非公有制経済人士とは、改革開放後に生まれた民間企業の経営者など。

新しい社会階層は経済組織や新しい組織の党外人士を指します。

要するに、共産党員以外の中国人も、民主派も、チベット人を含めた少数民族も、宗教も、富裕層も香港人もマカオ人も、台湾人も全て中国共産党のもとに統一されるべき対象であると宣言しているわけです。

附則も含めて10章にわたる条例ですが、その言わんとしているところは、チベットとウイグルの中国化を強化し、香港の民主派をつぶし、台湾を侵略するぞというものです。

香港では条例が交付された後に実際に民主派の弾圧が行われました。

周庭さんなど民主活動家は収監され、昨年末には重罪犯用の刑務所に移送されています。

この条例が昨年末に(試行)が外されて「中国共産党統一戦線工作条例」に改定されました。

(試行)を外したということは、正式に台湾侵略を推し進めていくという意味でしょう。

この改定で注目すべきところは第二章第三章の部分です。

改定前は
「統一戦線工作の指導思想と主要な任務とは中国共産党の指導のもと、マルクスレーニン主義・毛沢東思想・鄧小平理論の3つの代表を重要な思想とし、科学発展の観点から指導し」

となっていた部分が

「新時代の統一戦線工作の指導思想と主要な任務とは中国共産党の指導のもと、マルクスレーニン主義・毛沢東思想・鄧小平理論の3つの代表を重要な思想とし、科学発展の観点と習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想により指導し」

となっています。

習近平が、毛沢東、鄧小平と並ぶ指導者であると正式に規定されたわけです。

これに先立つ2018年、習近平はそれまで2期10年と規定されていた国家主席の人気を撤廃し、皇帝化の野望を見せました。

実際に皇帝に即位するまでするかどうかはわかりませんが、彼らが「民族の悲願」とする台湾統一を成し遂げれば、事実上の皇帝としての地位を固めることになるはず。

現在台湾では、すでに堂々と五星紅旗を掲げて統一を叫ぶわかりやすい団体を隠れ蓑に、台湾企業への中国資本の浸透やフェイクニュースの拡散、サイバーテロなど様々な形で統一工作が行われています。

また、人民解放軍機の領空侵犯なども激しくなっています。

今回の改定によって今後そうした文攻武嚇がさらに激しさをましていくでしょう。

こうしたことは日本ではほとんど報じられません。日本のマスコミも政治家も、中国の台湾侵略工作に利用されていることは知っておくべきです。