国民党の重鎮・郝柏村氏が死去

本日3月30日未明、国民党の長老であった郝柏村氏が死去しました。

郝柏村氏は日中戦争時に国府軍に入り、終戦後陸軍参謀となります。

国民党の台湾占領後は国防部参謀総長室付参謀。

蒋介石死後には国防部参謀総長となっています。

1988年に蒋経国が死去し、副総統だった李登輝が総統就任後には国防部長となり、さらには行政院長に就任。

国防部長は防衛大臣、行政院長は首相に相当します。

当時の李登輝先生はまだ国民党内では力が弱く、民主化へ向けて自らの地歩固めをしはじめたころでした。

そのためには、当時すでに国民党の重鎮であった郝柏村の力を削ぐことが重要でした。

軍人から国防部長へ、国防部長から行政院長への抜擢は、実際のところ郝柏村と軍との関係を遠くするためのものだったといいます。

出世を餌に軍との関係を絶たれた郝柏村は、軍への影響力が薄まっていきました。

李登輝先生は国民党内での立場を着実に強くしてから郝柏村を行政院長のポストからも外し、見事郝柏村の立場を弱くすることに成功。

ついには民主化を成し遂げました。

1996年に行われた総統選挙では、郝柏村は副総統候補として担がれるものの落選。政治の世界から身を引きます。

しかし2005年に再び国民党に復帰。とはいえ少なくとも表立っては大きな影響力をふるうことはありませんでした。

2019年に脳卒中で入院し、回復しないまま息を引き取りました。

享年100歳。台湾では数えで享年を表すため102歳となっています。

最後まで占領者として台湾が中国の(彼にとっては中国を含めた中華民国の)ものであるという考えを変えることはありませんでした。

この点、晩年は自らも中国人でありながらも台湾人であると認めるに至った蒋経国のほうが、まだ柔らかい頭の持ち主であったことがわかります。