蔡英文総統の演説を全文訳

昨日11月17日、蔡英文総統が賴清德前行政院長を副総統候補として正式に総統選に立候補することを表明。

同時に、全国競選総部(選挙対策事務所的なもの)が成立し、蔡総統は支持者の前で選挙に向けた演説を行いました。

この様子はYoutubeで公開されています。

で、この演説の日本語訳がないようなので勝手に訳します。

その前に解説。「凍蒜」は、「当選」を台湾語で読んだ音に、中国語読みの漢字を当て字したものです。

以下、訳文は蔡英文総統が登場してからのものになります。

なお、プロの翻訳家ではないのでよくわからなかった部分はよくわからないまま訳しています。

この訳文を使いたかったらどこでも勝手に使えばいいよ。許可を求めたり報告したりも不要。

ただし、間違いを直すのは可だけど内容を歪めるのは不可。

蔡英文総統の演説全訳

みなさんありがとう!

みなさんの熱い支持に感謝します。

準備はいいですか?準備はいいですか?

信じていますか?信じていますか?

私たちは必ず勝ちます。いいですか?私たちは必ず勝ちます。いいですか?

2020年、台湾に勝利を!

ありがとう。

我々の副総統であり、全国競選総部主任委員、我々の仁兄(陳建仁副総統)、我々の副総統候補頼清徳、我々の中央助選団団長、我々の水牛おじさん游錫堃元行政院長(游錫堃元行政院長は黙々と仕事をこなす仕事ぶりから水牛伯と呼ばれる)、行政院蘇貞昌行政院長、立法院蘇嘉全立法院長、我々の卓榮泰民進党主席、我々の台北市後援会顔志発総会長、それにこの会場のこんなにも多くの我々を支持してくれる友人たち、ネット上で中継を見ている友人たちこんにちは!

今日は全国競選総部設立の日です。

私は今日の活動に関わってくれた全ての友人たちに感謝します。

4年前も、私たちはこの同じ場所で全国競選総部成立大会を行いました。

4年前のその時、国民党は「換柱」し(国民党の総統候補を洪秀柱氏から朱立倫氏に急遽変更)、新しい候補者を立てたばかりでした。

彼らは支持者を脅し続け、国民党だけが中華民国を代表するかのように(総統選を)弄びました。

あの日、皆さんに民進党は台湾とイコールではない、国民党もまた中華民国とイコールではない、政党がするべきことは台湾人が自らの未来を決定する権利を守り、民主自由の生活を守ることですと申したことを覚えています。

みなさんそうでしょう!?

4年後の今日、蔡英文は再びここに立ちました。

みなさん、私はみなさんを失望させませんでした。

私は有言実行でした。

過去4年間の間、私が行なってきたのは、世世代代の台湾人が自分の未来を決められる権利を守ることでした。

みなさん違いますか?

総統は中華民国の総統です。

総統は台湾人の総統です。

2016年から現在まで、中華民国はなくなっていません。

台湾人の民主自由の生活もまたなくなっていません。

中国の巨大な圧力のもと、蔡英文は立ち向かいました。

国際情勢の変化がこれだけ激烈な状況でも蔡英文は持ちこたえました。

現在、私は再びみなさんの支えを必要としています。

来年の1月11日、我々はともに台湾に再び勝利をもたらしましょう!いいですか!

我々が誇りとする価値と進む道は、再び台湾を前に向けて進めることです。よろしいですか!

今日私の傍らは3年間で最高のパートナー陳建仁副総統がいます。

みなさん、陳副総統に盛大な拍手をお願いします。

私は彼に対する感謝の気持ちを文字では表しきれません。

暖かく、無私に、強い意志で台湾に犠牲を捧げて顧みない彼の精神は、この3年間私が挫折しそうになったときに最大の心の支えと規範となりました。

今朝、私は清徳を私のパートナーとして2020年の正副総統選に出馬することを宣言しました。

2020年における民進党の最強ペアです!

数ヶ月前、清徳は私とともに総統初選(民進党内の予備選挙)に立候補しました。しかし、予備選で我々が分裂することはありませんでした。

私は彼をパートナーとして再選を目指します。これは民主主義の理想的な姿です。

2020年、我々はもう一度勝たねばなりません。

蔡英文+頼清徳、1+1は2を超えます。

台湾のために最後までがんばります!

民主主義を守り、経済発展に力を尽くし、台湾の改革の歩みを保ち続けます。みなさんいいですか。

蔡英文と頼清徳は勝ちます。

ただ、我々にはもう一つ重要な任務があります。

それは、国会で過半数を得ることです。

清徳は立法委員、行政院長にもなったことがあります。国会で過半数を得る重要性を一番よく理解しています。

現在みなさんから評価されている「前膽基礎建設(蔡総統が立ち上げた交通、クリーンエネルギー、水等の社会基礎インフラ建設、拡大計画)」は、民進党が国会で多数を占めていなければ、予算の通過はできませんでした。

予算がなければ計画の執行もできません。

計画が執行できなければ、台湾建設100年の大業を推進できません。

また、今年国民が最も実感をもった税制改革も、我々が国会で多数でなければ、営業税を高く、所得税を低くし、財政バランスを顧みる税制改革の通過もできませんでした。

それに長照2.0(高齢者福祉、認知症予防などに関する計画)、低額の託児サービス、年金改革、移行期正義による党資産の整理(ここでは国民党が独裁期に得た不当な党資産-台湾総督府撤退後に接収した日本の利益なども含む-の解体)、再生可能エネルギーの発展のような、国民が期待しながらも過去の政府がしなかった、したがらなかったことも、我々が過半数でなければ3年で成果を出せませんでした。

執政3年で成果があったのは、立法院の功績も大きかった。過半数を得ていればこそ、改革は順調に推進されたのです。

だから私はここでみなさんにもう一度総統に一票、国会に一票をお願いしたい。

一票でも多いことで改革(の勢いが)減ることはないのです。みなさんいいですか!?

ここ最近で各政党の不分区(日本で言う比例)名簿が続々と提出されています。

民進党の候補者リストも国民のみなさんに公開し、みなさんによるチェックを受けています。

我々のリストは、国民を失望させません。

我々には各分野を代表する人材、国会戦力を強化する一級の戦士がいます。

さらには、我々は重要な政治的盟友も受け入れ、台湾の民主自由を守る陣容をさらに広げました。違いますか?

しかし、みなさん国民党の名簿を見てください。多くの人がこの名簿を批判しています。

私も最も厳粛な気持ちで全ての支持者に呼びかけたい。この名簿の意義を低く見てはいけません。

この名簿が持つ台湾の進歩改革に対する殺傷力を低く見てはいけません。

国民党の名簿は、台湾の最も保守的で、改革に反対し、中国に傾く人たちが集められています。そうでしょう?

世論の批判によれば、彼らの一人を取り出してみても中国に傾かないことを示してはいません。

何人かの順序を並び替えてみても、進歩の価値を持つことを示していません。

国民党の名簿には一つ重要な情報が透けて見えます。

2020年の総統選で、国民党はすでに我々のこの3年の全ての改革をひっくりかえす意図を定めています。

もし彼らが勝ったなら、改革は負けます。

みなさん、もし彼らが勝ったなら、香港の若者たちは台湾をどう見るでしょうか?

もし彼らが勝ったなら、国際社会は台湾をどう見るでしょうか?

もっと重要なのは、我々が自分自身をどう見るかです。

だから、我々は進歩改革の力を集めて絶対に守らねばなりません。絶対に負けられません。そうでしょう?

2020年、台湾は勝たねばなりません。

台湾の何が勝つのか?台湾の改革が勝たないといけないのです。

台湾の改革が守旧に勝ち、進歩が後退に勝つ。自由が威権に勝ち、民主がポピュリズムに勝つ。これが2020年に台湾が勝つということです。みなさんそうでしょう?

今日は全国競選総部が設立されました。

再選を目指す総統候補としてみなさんに過去3年強の我々の執政の成績を説明しなければなりません。

しかし、みなさんに与党である我々がもっと台湾をよくするためには、仙丹妙薬を持たず、我々が毎日着実に真面目に努力するしかないことを理解していただきたい。

きれいなスローガンを考えるのは難しくはありません。美しい願望を織りなすことも難しくはありません。でも台湾の政治はきれいなスローガンを掲げれば勝てるようなものではありません。

まさかスローガンだけに頼るのでしょうか?

私はスローガンには頼りません。でも私は庶民が何を求めているかは知っています。

庶民の家でお年寄りが誰かに世話され、子を生み育てることを政府が支えること。高齢化社会は突然来るのではありません。過去の政策がただその足音を聞いているだけだったためです。

私が総統に就任したばかりとき、高齢者対策の予算は50億しかありませんでした。現在は400億になっています。

敢えていいましょう。我々は高齢者対策に史上最も予算を注ぎ込んだ政府であると。違いますか?

出生率の低下も一日二日で起きたことではありません。

過去の(政府の)みなさんはただ心配するだけで積極的には行動しませんでした。

しかし我々は育児手当を配布し、皆さんの収入を増やし、税金を下げました。

低価格での託児サービスを推進しました。

2歳から3歳までの育児手当の不足も補償しました。

敢えていいましょう。我々は最も子供のことを考えた政府であると。違いますか?

庶民は電力供給の安定化を望んでいます。クリーンなエネルギーと家庭を望んでいます。

我々は総発電量の中で再生可能エネルギーが占める割合を高めました。

先週、台湾で初めての海上風力発電所の運用が開始されています。

この件は数十年話し合われてきました。しかし、我々だけがこれを推進する度胸をもっていたのです。そうでしょう?

庶民は、台湾の経済発展に対して投資したいと思ってきました。

過去の政府も多く口にしてきたことです。

しかし、数十年なかった「投資大爆発」が起きたのはやっと今年になってからです。

他のみなさんは言うだけでした。しかし我々の政府はやったのです。そうでしょう?

もちろん、国民は国家の安全も求めていることを忘れてはいけません。

我々の初めての高等練習機のプロトタイプ(戦闘機パイロットを養成するための練習機「勇鷹」)はすでにロールアウトしています。

造船所への注文も絶えません。

海軍は数十年国産潜水艦を作ると言い続けてきました。我々はすでにそれを開始しています。

私は国軍の兄弟姉妹もみな、蔡英文が国防を非常に重視し、国軍を重く見ている総統だと同意していると信じます。違いますか?

ここのところ、多くの支持者が焦って我々に我々の相手(つまり国民党)のように、言い続け、約束手形を乱発し、スローガンを叫び続けてはどうかと意見してきます。

みなさんの焦りはわかります。でもそれは私のやり方ではありません。

みなさん、台湾は昔から口だけの人に事欠きませんでした。スローガンだけの人にも事欠きませんでした。

台湾に欠けているのは、プレッシャーを受け止め前に進み続ける人です。そうですよね?

過去の政府ができなかったこと、やろうとしなかったことを蔡英文はやってきました。

私はみなさんに、将来の4年間もこうし続けていくことを約束します。よろしいですか?

国際情勢は変化しています。米中貿易戦争は進行中です。香港の抗争はどんどん激しくなっています。貿易の規範も急速に変わっています。

将来、中国が台湾にかける圧力が増えることがあっても減ることはないでしょう。

こういう状況のもと、台湾には穏健で理性的なリーダーが必要です。国際的な視野を持ち、複雑に変化する状況で正しく未来への出口を判断できるリーダーが必要です。実際に行い、国民の問題を解決できるリーダーが必要です。

私はこの国を率いて穏健に前に進んでいく能力があると信じています。そうですよね?

過去3年強の努力をみなさんが見てきたと信じます。

国はいままさによい方向に前進しているところです。

壮大なる台湾は将来ではなく今現在進行しているのです。

蔡英文に投票するのは、台湾の理性的で温和な中道の力に投票するということです。

蔡英文と民進党に再び4年をいただければ、国はさらに安全になり、経済は発展し、さらに周到なお世話ができます。改革はさらに穏健になります。どうですか?

1月11日、みなさんお願いです。総統に一票、最強ペアに支持を。立法委員に一票、我々に過半数を。

「英徳勝利、贏得勝利」(蔡英文の英、頼清徳の徳を合わせると贏得=勝ち取ると同じ発音)いいですか?

もうは一票政党票です。国会で過半数を得なければいけません。改革はまだ半分残っています。

これは進歩と後退の問題です。改革と反改革の問題です。

みなさん、迷わないでください。票を分けたりもしないでください(総統は蔡総統に入れても政党は国民党にみたいなことはしないでねという意味)。

政党票は民進党へ。よろしいですか?

今日から選挙戦はどんどん激しくなっていきます。

全てのみなさん、我々一人一人が自らの立場に立って台湾の未来のために奮闘しなければいけません。

これは負けられない選挙です。

我々にはゆるい資本はありません。

それぞれの任務はただ一つ。台湾を守ること、民主を守ること、自由を守ること、改革を守ることです。いいですか!

2020年、台湾に勝利を。

蔡英文にもう一度支持を!いいですか!

総統再選、国会過半数、いいですか!

台湾人の選択を全世界に見せましょう。いいですか!

台湾がんばれ!みんながんばれ!

ありがとう。