台茶18号=紅玉が高級なのは間違いないが別に「まぼろしのお茶」ではない

そろそろ「タピオカパール」を「タピオカ」と呼ぶのやめにしねえ?って言っても日本では通じないんだろうなあ。

台湾に住んでいたころ飽きるほど珍珠奶茶を飲んでいた身としては、今の日本の「タピオカブーム」とやらは意味わかんないんですよね。

ちなみにタピオカパールドリンクを並ばずに買える店なら、池袋なら4店舗ぐらい、上野なら3店舗ぐらい知ってます。

探せば並ばずに買える店なんて他にもいっぱいあるはず。

要するに、今行列ができてるのはTP TEAとか台湾甜商店とか貢茶みたいな、メディアに載ってる有名な店なんだよな。もうね、おまえら並ぶことのほうが目的なんじゃないかと。

そう考えるとこれって本当にブームなの?と疑問に思います。

ところでいくつかの店を利用してみて、その中で台湾とほぼ同じ味の珍珠奶茶を売っているのは1店だけでしたね。

あれ日本で手に入る紅茶と牛乳で作っても、台湾現地の味とはどこか違う感じになってしまうので、台湾と同じ味の店はなかなか貴重です。どこかは教えないから自分で探して。

つってもまあ、メディアに踊らされて有名店に並んでる連中の9割は味はどうでもいいんだろうけどな。

ところでこんなニュースがありました。

台湾茶とタピオカ専門店「ティーエィティーン」そごう横浜にオープン、高級茶葉“台茶18号”を使用

「ティーエィティーン」は、2017年に東京・渋谷に初上陸した台湾発祥のお茶専門店。そのショップ名は、非常に希少な高級台湾茶葉「台茶18号」が由来。
上記記事から引用

はあ?台茶18号ってそんな希少だっけ?

で、もうちょっと調べてみるとこういうのもありましたよ。

まぼろしの台湾紅茶「台茶18号」が味わえるお茶とタピオカの専門店『TEA18』が7月27日、渋谷マルイにオープン!

これはTEA18を日本に引っ張ってきた有限会社ネットタワーという会社のプレスリリースです。

台湾発祥のお茶とタピオカの専門店『TEA18』が7月27日、渋谷マルイ1階にオープン!
​稀少なまぼろしの台湾茶葉「台茶18号」を使用したストレートティーが飲める。
上記プレスリリースから引用

「台茶18号」は台湾が、日本統治時代に日本人技師によって栽培された日本にも関係が深い品種。
ルビー色で渋みが少なく、ミントのようなさわやかな香りが特徴。
上記プレスリリースから引用

だってさ。

「台茶18号」というのは開発名です。いわばガンダムという機種名に対する「RX-78-2」みたいなものです。で、そのガンダムにあたる部分の商品名は「紅玉」といいます。

台茶18号は、ミャンマーのアッサム種と台湾に自生していた野生の茶葉をかけ合わせて作られた品種で、命名されたのは1999年。命名された年っていうのは、つまり品種として完成された年と言っていいと思います。

1999年って日本時代だっけ?

台湾にアッサム種の茶樹を導入し、紅茶の製造を始めたのは確かに日本時代の三井合名会社、現在の日東紅茶です。

私が知る限りにおいては、台湾に導入されたアッサム種はインドから輸入したものです。ただ、日本時代に当時のビルマからもアッサム種が導入されたという可能性はあるでしょう。

台茶18号を始め、現在台湾で流通している様々な茶葉—例えば金宣茶—を開発したのは、台湾茶業改良場魚池分場です。これは、日本時代に総督府が設置した紅茶試験所がそのまま受け継がれたものです。

そういう意味では、台茶18号の開発に日本人の影響がまったくないとは言い切れません。

しかし、日本時代に日本人が栽培したというのは嘘っぱちです。

さて、これなーんだ。

紅玉。つまり台茶18号です。台北の林茂森茶行というわりと有名な店で買いました。

中身はこんな感じ。

紅玉は確かに蜜香紅茶と比べてもワンランクお高い高級紅茶であることは間違いありません。

でも、台北の専門店でいつでも買えるぐらいには流通しており“希少”でも“まぼろし”でもありません。

そもそもそんなまぼろしの茶葉だったらチェーン展開なんかで使えるわけねえじゃん?

こうなってくるとこの「TEA18」というショップ自体本当に台湾にあるのかと疑いを持ちました。台北で見たことないし。

で、調べたら、一応ちゃんとあるようですね。

台湾では朝霧紅茶という茶業者が展開しているようです。→朝霧紅茶webサイト

朝霧紅茶のほうではTEA18をこう紹介しています。

tea18所提供的茶飲有多種樣化,迎合大眾口味,主打的正是現在日月潭最夯的紅玉紅茶(台茶18號)及阿薩姆紅茶
朝霧紅茶webサイトから引用

てきとーに訳すとこう。

「tea18が提供する茶飲料は大衆の好みに合わせて多様化しており、主に現在日月潭で一番注目されている紅玉紅茶(台茶18號)とアッサム紅茶を取り扱っています」

こちらでは希少だとかまぼろしだとか嘘を言っていません。そりゃそうだ、台湾人なら紅玉ってちょっとお高い紅茶よねぐらいにしか思っておらず、買おうと思えば台北でも買える紅茶だって知ってるから嘘言ってもしかたありません。

つまり、希少だとかまぼろしだとか日本人が栽培しただとかいうのは、日本側の有限会社ネットタワーがついた嘘っぱちだということになります。

要するにそういう嘘で客の注目を集めようという魂胆なんでしょう。ほんと台湾の企業をひっぱってくる日本側の会社はろくなことしねえな。

本物の紅玉は、ちょっとハッカっぽいメントール的な味があってくせがあるので、飲む人を選ぶんじゃないかと思います。私はあんまり好きじゃありません。蜜香紅茶のほうが好きです。