台湾熱炒の独特な料理

現代台湾の食文化として欠かせないのが「熱炒」でしょう。

熱炒は要するに酒場ですが、料理が炒めもの中心というところが特徴で、生簀を置いて客が食材を選べるようになっているお店も多いです。

なんてなことを言ってますけど、私は熱炒の店に入ったことはありません。

理由の一つは下戸であること。そしてもう一つは常にぼっち飯であることです。

台湾には、日本と違ってアルハラがコミュニケーションの手段だと思っているキチガイはいませんから、熱炒に下戸が入ってもいいのだけれど、熱炒っていうのはだいたい一品100NT$とかで、一皿がけっこうな量だから一人で入るには向きません。

100NT$出すなら普通にそこらへんの食堂入るし。

ということで、熱炒文化には一切触れずに来た私です。

で、最近台灣好食材Foodingというwebサイトで

【熱炒知識王】龍珠是嘴巴?粉肝是脂肪肝?一次搞懂熱炒知識

という記事を見てちょっとおもしろかったので、一部内容をパクってご紹介します。

龍珠はある生物の口

熱炒店には「龍珠」なる料理があるそうですね。

元ネタの記事には「サクサクの衣をまとって葱とニンニクの香りを乗せ」なんて書いてあり、読んだだけでもおいしそうです。

で、この「龍珠」イカの口の部分。日本では「カラス」とも呼ばれる部分です。

日本人にとっては馴染みがあるこの食材、台湾では長いこと捨てていたそうです。

それが屋台の料理に使われるようになり、独特の食感からくるおいしさが知られるようになって広く食べられるようになったとか。

台湾ではイカはよく食べられる食材。豚は毛と爪と骨以外は血まで残さずいただいてしまう台湾人が、イカの口の部分は捨てていたとは意外です。

五更腸旺はいったい何更?

熱炒店の人気メニューに「五更腸旺」というものがあるそうです。

これはもともと四川料理店に必ずある料理だとか。

蒋介石の国府軍は日本軍に南京から追い出されたあと、武漢から重慶に逃亡しました。

国府軍の兵士っていうのは占拠した先々で徴兵っていうか人さらいみたいにして集めてたので、重慶でさらわれて兵士にされた四川の人もいっぱいいました。

ということで、その国府軍敗残兵が台湾に逃亡したときに、四川の人とともに四川料理も持ち込まれました。

台北の成都路の裏側に行くと、戦後に四川の中国人難民が作った四川料理店がいくつか残っています。

で、そんな台湾の四川料理店で、台湾の豚や鴨血を使って作られた新たな四川風の台湾料理が五更腸旺。

つまり五更腸旺は四川にはありません。名古屋の台湾人が創作した台湾ラーメンが台湾にはないっていうのと同じようなことです。

腸は大腸、旺はアヒルや豚、鶏の血を固めたもの。残る「五更」の由来には、五更=朝の3時から5時ぐらいまでじっくり煮るからだとか、5種類の植物の梗=茎を使うため、梗が更になっただとか、五更爐を使うからだとか諸説あるようです。

五更爐っていうのは↑こういう卓上コンロのこと。

螺肉はかたつむりの肉

熱炒店には「炒螺肉」という料理があるそうですね。

この料理に使われる「螺肉」。実はアフリカマイマイの肉だそうです。

アフリカマイマイは日本時代に食用として日本人が移植しました。

沖縄にも移植されたアフリカマイマイは、今野生化して大変なことになってます。移植したはいいけど誰も食わないうえに関東住血吸虫の宿主にもなるので、駆除が行われてるけどそこらへんに普通にいますね。

台湾でも野生化してます。台北の中心部ではあんまり見ないけど、芝山巌や内湖みたいな山のほうでは見ました。

日本では自分たちで移植したくせに自分たちで食わないうえに野生化して大変なことになっているというバカジャネーノとしか言いようがない状況になっているアフリカマイマイ。台湾では熱炒店で有効に食材として使われているんですね。

寄生虫がいる可能性はあるけど、それはイカなんかも同じです。しっかり熱を通す熱炒なら問題ないです。

ここでご紹介したいくつかの料理は、確かに一般的な台湾料理の食堂では目にしないものです。

お酒を飲む人、ぼっちじゃない人は熱炒店に行って食べてみてください。