台北市議員苗博雅氏、台湾独立のTシャツを着て両岸交流パーティーに参加

18日に行われた中国の改革開放40週年式典で習近平国家主席が「覇権主義に反対」と発言して腹がいたくなるほど爆笑した私です。習近平にこんなギャグセンスがあるとは思いませんでした。さて台湾では本日20日、「2018台北上海都市フォーラム」が開催されています。これは簡単にいえば経済を軸にした台北市と上海市の交流フォーラムだということです。

日本ではほとんど報じられていないようですけど、そのために今台湾には上海市の周波常務副市長を始めとした140人の訪問団が訪れています。

そして昨日、その訪問団を歓迎するパーティーが台北市で開催されました。

そのパーティーに、台湾の社会民主党所属で、11月の統一地方選挙で台北市市議に当選した苗博雅氏が、「台湾独立」と書かれたTシャツを着て、今月発売されたばかりの『這裡不是一條船』を持ち、「立刻釋放李明哲」と書かれたカードを持って参加したとFacebookに書き込みをしました。

台湾の社会民主党は2015年に結党された新しい政党です。「穏健な左派」を標榜しており、主に同性婚、婚姻の平等を推進しています。日本の社民党と違うのは台湾主体主義に立っている点で「国民党を淘汰し、民進党を監督する」という立場を目指しています。まあそもそも左派=売国などという頭がおかしい図式になっているのは日本ぐらいのものです。

苗博雅氏はレズビアンとして婚姻の平等を主張しているのと同時に、台湾独立も支持しています。台湾独立を支持するのは右寄りばかりという頭がおかしい状況になっているのも日本ぐらいのものです。

苗博雅氏は見た目が男性っぽいいわゆる「トムボーイ」。以前『刺青』の周美玲監督のインタビューだったかで、台湾のレズビアンにはトムボーイが多いというのを読んだ気がします。同性愛者かどうかは別として、台北ではボーイッシュな女性はわりとよく見ます。

『這裡不是一條船』というのは、鄭南榕基金が発行した台湾独立運動、台湾正名運動などを記録した本だということ。鄭南榕烈士は粗籍が福建省の外省人二代であり、蒋氏独裁時代に台湾の民主化を訴える雑誌『自由時代』を発行して国民党から政治弾圧をされていた人物です。1989年、反乱罪に問われた彼は、雑誌社の編集室に立てこもり、警官隊に包囲される中ガソリンをかぶって焼身自殺しました。彼の壮烈な自死が、台湾の民主化を加速させたとも言えます。ていうかこの解説いるの?台湾が好きっていうなら鄭南榕の名前ぐらい知ってて当然だよね。

ちなみに苗博雅氏も父君は外省人二世。本省人と外省人という単純な分け方で台湾をわかった気になるのがどれだけ頭悪いかがわかろうというもの。

李明哲氏は元民進党の職員で、NGO「人權公約施行監督聯盟」の職員として中国の民主化運動を推進。昨年中国を訪問したところ公安に逮捕され、国家転覆罪のかどで懲役5年の実刑を受けて収監されています。李明哲氏も外省人ですね。

さて、苗氏によれば、そのいでたちが問題にされることは特になく、上海側の参加者とも活発に対話をし、交流したということです。

苗氏はFacebookでこう述べています。長いので全文はめんどくさいから抄訳です。

今夜(訳注:12月19日)私は「台湾独立」Tシャツを着て『這裡不是一條船』と「立刻釋放李明哲」カードを持って、台北市議員の立場で台北市が開催した台北上海都市フォーラムの歓迎パーティーに参加しました。

私はずっと台湾人と中国人は正常に交流し、友人になれると思っており、台湾と中国も正常に交流ができると思っています。

中国からの来賓には中国では見られない台湾の自由民主、人権の価値を見てほしい。私は民意を代表し、来賓に台湾の多元的な民意を見てもらわなければなりませんでした。

今夜私と台湾下上海の来賓は、私が着た「台湾独立」の文字を見ることができました。それでも双方は平和に、理性的に会話ができました。

かつて台湾人は常にビクビクして、禁じられた言葉(訳注:台湾独立、民主化など)を出したら交流をできないと思っていました。

でも今夜の試みで、中国との交流に言葉を飲み込み卑屈に膝を屈する必要がないことがわかりました。我々は立って交流することが可能です。

これは確かに画期的な試みだったと思います。もちろんこれを中国でやったら捕まるだろうし、北京からの訪問団に対して同じことをやったら怒り出す可能性もあります。しかし重要なのは、自分たちの主張を堂々と表明して中国の前に立つということではないかと思いますね。