台北最大の祭り青山王祭始まる

昨日台北の萬華地区では、台北最大のお祭り「青山王祭」が始まりました。これは萬華で広く信仰を集める靈安尊王青山宮のお祭りで、毎年靈安尊王の誕生日である農暦10月23日に合わせ、農暦10月20日から4日間行われます。台湾人は信仰が篤く、日本人のように伝統行事まで新暦の日付にしてしまうといういいかげんなことはしません。

靈安尊王青山宮

青山宮の創建は、清朝統治時代の咸豊9年=1859年。1854年に萬華で疫病が発生したため、その地区に住んでいた泉州恵安出身の移民たちが故郷の守護神であった青山王を将来して祀ったところ疫病の流行が鎮まりました。その霊威に信仰が集まって、廟が建てられたといいます。

主祭神の青山靈安尊王は、もともとは泉州恵安の青山という山を守護する山神様でした。ただ、城隍爺としての職能も付与され、山神としてだけではなく街の守り神としても信仰されていたようです。疫病が発生したときに青山王が将来されたのも、瘟神病魔を捕らえて裁く城隍爺としてのご利益が期待されたためでしょう。

鈴木清一郎という人物が記した『台湾旧慣冠婚葬祭と年中行事』では、「代天巡狩」の職能も付与されていると指摘されているようです。代天巡狩は主に王爺千歳が与えられた天帝に代わり地上の悪鬼などを狩る役割のことです。

ともあれ、最初の疫病だけではなく、その後に発生した疫病、ペストなどの流行も青山王のおかげで鎮まったと信じられており、青山王のお祭りも盛大に行われるようになっていきました。

青山宮後殿の三階、玉皇大帝の宮殿である凌霄寶殿には、『西遊記』で大いに玉皇大帝に迷惑をかけた斉天大聖が祀られます。

斉天大聖が祀られるのはたいして珍しいことではありません。台湾には斉天大聖を主祭神とする廟もあります。

めずらしいのはこちらの「南天大聖」。この青山宮でしか見られない神様です。横浜関帝廟の公式サイトには

「玉皇上帝」は天空に住んでいると言われています。南北二カ所に天門があり、南天門の守護は斉天大帝(孫悟空)が受け持ち、北天門の守護は玄天大帝(北極星)が受け持っていることになっています。

という記述があります。南天門というのは斉天大聖が天将たちを相手に大暴れする「大鬧天宮」の起点となる場所です。南天大聖はもしかしたら南天門で暴れる斉天大聖か、もしくはその後道教において南天門の守護とされた斉天大聖をあらわしているのかもしれません。

青山王祭

現在の青山王祭は農暦10月20日から23日までの4日間行われます。
(以下画像は2016年と2017年の青山王祭のもの)

まず最初の2日間は「暗訪」。

青山王の神像がお神輿に載せられ、夜の萬華の街を巡察してまわります。

神様の行き先ではまず爆竹が鳴らされ、道が清められます。

そして長い長いパレードが始まります。

パレードには七爺八爺や、

獅子舞。

八家將などが参加。広い萬華地区を数時間かけて練り歩きます。

農暦10月22日は「正日」。この日は朝から巡察が行われます。

街の各所に設えられた祭壇や、他の廟の前では七爺八爺のご挨拶が行われます。

テロでも火災でもなく、爆竹の煙です。

正日ともなれば爆竹の分量も違います。もちろんこれはこのあとちゃんと掃除されます。

華西街なども通ります。

こちらは広州街。ファミマの前に祭壇があるので爆竹が焚かれます。

ファミマ前の祭壇。

夜になると街中でもおかまいなしに花火が打ち上げられます。

たまにパレードをはずれて食事などしていると、その前を通ったりもします。

そして青山王の誕生日の農暦10月23日はパレードは行われず、3日間街を巡察した神像が元の座に戻され、お誕生日をお祝いする儀式が行われます。