代55回金馬奨中継で「台独」発言が中国に流れてしまい中国人が発狂する

11月17日、台北において金馬奨の授賞式が行われました。これは台湾、香港などのいわゆる「中華圏」の映画作品に特化した映画賞です。過去の最優秀作品賞には、『グリーン・デスティニー』『カンフーハッスル』など娯楽作品も選ばれており、決して堅苦しい映画賞ではありません。

授賞式は中国でも放送

かつて台湾と香港の作品が中心だったこの映画賞も、ここ数年の間に中国からも作品がノミネートされるようになっており、今回の授賞式も中国へ向けて中継されていました。

そこで、最佳紀錄片=最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した『我們的青春,在台灣』の監督・傅榆さんが「希望有一天我們的國家可以被當成一個真正獨立的個體來看待,這是我身為臺灣人最大的願望(我々の国が真に独立したものと扱われるようになる日が来ることが、台湾人としての私の最大の願いです)」と挨拶しました。

それで中国側ではその瞬間中継が切れたそうです。しかし生中継だったから時すでに遅しだったんやな。

これに対して中国人のネット民が激しく反発したなんてことも伝えられているけど、常識的に考えて中共の工作員によるものでしょう。ただ、中国人は台湾は中国の領土だと洗脳されておるので、わざわざ工作員が働かなくてもそういう意見は出るのでしょう。それに、賛同の意見なんか書き込んだら即逮捕ですからね。

台湾のwikiによれば、傅榆さんのお父さんはマレーシア華僑、お母さんはインドネシア華僑。両親とも国民党と、親民党の宋楚瑜を支持している統一派。その娘の傅榆さんが逆に本土派というのも興味深いです。

傅榆さんの発言に対し、民進党の林靜儀立法委員はFacebook上に「台湾の自由な空気を享受できた中国芸能界のお友達おめでとうございます。出国のときは“出境”通路を通り、中華人民共和国(またはアメリカ、シンガポール、カナダ)のパスポートを提示するのをお忘れなく。
そう、あなたがたは外国人ですから。
台湾と中国は一辺一国。誰があなたたちと一家だっていうの」と表示。

それに対して中国人が「あなたには高貴な炎帝・黄帝の子孫の血が流れている」つまりあなただって中国人の末裔ではないかと書き込んだところ、林立法委員は「中国ではFacebookは許されていないはずだけど、壁を超えるのは習おじさまが好きな子ではないですよ」と切り返しました。

一応解説しとくと、今中国では漢民族だけではなく55の少数民族も、中国神話の伝説の帝王=炎帝と黄帝の子孫であるという洗脳教育を行っており、それによって少数民族支配を正当化しようとしています。

これたまに空気読まないやつが「台湾人も漢民族の子孫であるから台湾も中国の領土である」とか言い出してて、それやるとじゃあ漢民族じゃない少数民族の土地は中国の領土ではないだろというロジックが生まれてしまい、中共的にわりと困るという状況になるのでおもしろいです。

さて会場では傅榆さんの発言を受けて、前年最優秀主演男優賞を受賞した中国の「影帝(映画王)」涂們が「特別榮幸再次來到中國台灣金馬獎頒獎,我感到了兩岸一家親。(再び中国台湾の金馬奨に参加できて光栄です。両岸が一家であることを感じました)」と述べました。これに対しては台湾から強い反発が出ています。ただ涂們は普通に中国に帰国しました。

総統府副スポークスマンの丁允恭氏はこれに対し「ある中国の役者さんに申し上げる。
あなたがそんな発言をしても、安全に台湾から出ていけたり、あるいは中継が途切れたりカットされなかったのも、そしてあなたのそうした演出が壮烈な悲劇ではなくナンセンス劇になったのも、ここが台湾であり“中国台湾”ではないからです。
我々はあなたが本心から(訳注:中国台湾と)言ったのか、それとも恐怖から言ったのかはわかりませんけれど。」

とこれもFacebookに書き込みました。

さてこの出来事に限らず、いわゆる「統独」問題において中国側がなんか仕掛けると、台湾の結束が強まるという傾向にあるのでどんどん仕掛けていいのよ?