常識的に考えて台湾に興味があるなら客家のことも知っているはず

台北MRTに乗ると台湾華語(北京語)、台湾語(河洛語)、客家語、英語の4つの言葉のアナウンスがあります。今年から主要駅に着いたときは日本語のアナウンスも入るようになって、乗り慣れているとかえって「たんすい」とか日本語で言われるとびっくりします。

台湾人の一角をなす客家人

多民族国家の台湾には、非常に多くのエスニックグループが暮らしています。そのうち最大数なのがいわゆる「河洛人=台湾閩南人」。これは明末から清代ぐらいにかけて中国の閩南=現在の福建省沿岸から移民してきた人たちと平地原住民の混血の子孫です。

福建から台湾に渡った多くは男性でした。台湾海峡は渡るのが困難で危険だったため、中国で食い詰めたような独身男性が新天地を求めて移民した例が多かったからです。

河洛人ほどではないけれど、同様に台湾海峡に面する広東からも移民した人々がいました。それが客家の人たちです。

客家人は中国の古代から戦乱を逃れて方々を渡り歩いたと言われる民族のこと。彼らは独自の文化と言語を保ちながら中国各地に移住し、さらにはその一部が台湾にも移住しました。客家は中国でも台湾でも優秀な政治家を輩出しています。中国では鄧小平、台湾では李登輝、シンガポールでは李光耀と、それぞれの国のトップを生み出しました。現在の蔡英文総統も、客家と原住民のハーフです。ハーフといっても実際には客家人自体も当然混血を繰り返してきてはいるでしょう。

政治家以外だと、例えば『悲情城市』の侯孝賢監督は広東客家の外省人。元アイドルの女優、王心凌さんは客家系の本省人。それと、女優の余貴美子さんはお父さんが客家系の台湾人です。

とまあ非常に優秀な人材が多い客家。ところが日本ではどうもあまり知名度が高くないように思えます。まあそもそも台湾語と中国語の区別もつかないような連中が、ホーローと客家の区別がつくはずがないっていうより知りもせんだろうけどな。

客家委員会がVELTRAと提携して現地ツアーを提供

そこらへんはどうも台湾の客家人も感じ取っているようです。台湾の客家委員会は、昨日現地ツアー専門の旅行サイトVELTRAと共同の記者会見を開き、日本人向けの客家の町の現地ツアーを提供すると発表しました。



客家人が多い地区としては、新竹の内湾や北埔が有名です。内湾は海外温泉むすめ第一号・尖石内湾ちゃんのおかげで全日本人が知っていて当然!

北埔のほうには行ったことがあります。

北埔は東方美人茶の生産地としても有名で、私は自家農園の茶葉を使った自家製東方美人茶を売っている店を見つけてそりゃあもう最高にうまい東方美人茶を購入したけど場所は教えぬ!まあそんなに難しい場所にあるわけでもなく、行ったときはいなかったけどご主人の息子さんが日本語できるそうなんで難易度は高くないから自分で見つけて。ただしけっこうお高いです。

町からちょっと出ただけで森林が広がる山間にあります。

他に、客家文化を学べるテーマパークとして台北の台北市客家文化主題公園、三峡の新北市客家文化園区などがあります。

内湾や北埔などの客家の町では、客家独特の食文化を楽しむこともできます。客家といえばやはり粄條。これは幅広の米の麺で、タイで言うセンヤイに近いもの。もっとも粄條は台湾で非常に普及しているので客家人の店でしか食べられないものでもなく、台北でも普通に食べられます。

逆に客家料理の店でしか食べられないのは客家小炒。客家人は中国各地を渡り歩くうちに食材を干す技術を発達させていきました。客家小炒は、干したイカ、豚肉、豆腐などを炒めた料理です。正直飛び抜けておいしいというものではありません。けれど、干した食材はしみじみおいしく、何度でも食べたくなる素朴なおいしさがあります。

それと客家擂茶。擂というのはするという意味で、その名の通り様々な雑穀をすり鉢ですりすりして、そこに粉状にした茶葉も加え、お湯を注いで飲むというもの。これ自分ですりすりするのは2人以上じゃないとできないので、常にぼっち旅の私はできず、すでにすりすりされて作られたものを飲むしかなかったけどこれもおいしかった。

擂茶自体は台北でも飲める店はあるようです。でもすりすりは客家の町まで行かないとできないようですね。

まあ別にそれほど行くの大変じゃないから現地ツアー使わなくてもいいんだけど、いろいろ詰めて廻りたいという人にはツアーが向いてるかもしれません。