石門金剛宮5 D区:2階天堂エリア

前回はC区七星橋からD区地獄めぐりまでを見ました。地獄めぐりがやたら長くなったので同じD区の2階部分はこちらで解説します。

天堂エリアは「天国」エリアではない?

では2階に上がっていきます。

2階の入り口には玄天上帝が祀られます。

足元を見ると蛇と亀を踏んでいるのでわかります。

さて、奥を見渡すと天井には無極から太極が分かれ、太極が両儀となり、両儀から四象が生まれ、四象から八卦に至るという天地陰陽の成り立ちが描かれています。

そして両側にずらっと像がならびます。

これはどうやら天堂といっても地獄に対応する「天国」ではなく、単に地府の上にある天界を表しているエリアのようです。

入り口に玄天上帝がいるということは、居並んだ像は玄天上帝麾下の三十六位天将でしょう。彼らは三十六天罡星に対応します。といっても梁山泊の強盗どもとはまったく関係がない神様たちです。

三十六柱全てを紹介するのは骨なので、そのうち有名所を見繕っていきます。

まずは殷元帥。これは『封神演義』のキャラクターで紂王の王子である殷郊です。小説では值年歲君太歲之神に封じられました。六十太歳星君の首座とされますが、台湾の廟では六十太歳星君の上に立つのは斗母元君です。

康元帥は康席という人物で、仁慈によって貧者や病人を助け、民衆から「仁聖」と呼ばれていました。修行の後羽化登仙してから、玉皇大帝によって「仁聖元帥」に封じられ、四方の土地神を掌管する役割を与えられたといいます。というお話の神様であり、実在の人物ではありません。

趙元帥は武財神、玄壇真君趙公明です。『封神演義』ではなぜか悪役にされてしまっていました。九節金鞭を持つのは『封神演義』の設定を受け継いだものです。実際には財神として広く信仰を集めており、また廟によっては玉皇大帝を守護する位置に配されていることもあります。

鄧元帥。道教では九天応元雷声普化天尊を頂点とした雷神軍団が存在します。鄧元帥は、雷声普化天尊麾下の雷部五元帥の一柱です。三十六位天将の中に本来他の神様の下につく神様が入れられているのはよくあることです。

岳元帥。北宋の将軍岳飛です。岳飛はまた「岳武穆王」という神様としても封じられており、行天宮などの恩主信仰では「岳恩主」として信仰されます。

楊元帥。一説には東漢末董卓の長安遷都に反対した硬骨漢の楊彪です。ただ楊彪は文官なので武器を持った武神には合わない気がします。一説には顕聖二郎真君。他の廟では明らかに二郎真君を示す三尖刀を持つ「楊元帥」が祀られていることもあります。この像は武神であり、かつ三尖刀は持っていないのでまた別の楊元帥だという可能性もあります。

李元帥は疑いなく中壇元帥李哪吒です。

雷元帥は『封神演義』に登場する雷震子だと思われます。

三十六位天将には元帥神の他に○○大将とつく神様もいます。こちらはそのうち「食鬼大将」。ちゃんと「食鬼大将」と書いてあるのに天国で人が食われているなどと頭悪いことを書いてあるブログなどもあります。鬼は霊とい意味であり、天将が食べる鬼ならば常識的に考えて悪霊です。常識で考えないから変な解釈になる。

D区天堂エリアの最後には斉天大聖が祀られます。

石門金剛宮6 E区:涅槃仏から幸福橋までに続く。