国民党日本語サイトが同性婚を「変態」などとした文章を掲載

昨日民進党所属の段宜康立法委員が、自身のFacebookに

「中国国民党が日本語で民進党をけなしている…
こんなものを寝る前に見たら耐え難い夢を見てしまうかも」

というメッセージで、国民党日本語サイトのキャプチャー画像を貼りました。台湾の政党はそれぞれ日本語サイトを持っています。Facebookに投稿された画像なのでいずれ消される可能性もあるため、保存した同一画像を利用させていただきます。

くたばれ民進党

東方人 2018、10、31

地方統一選挙の投票日は十一月二十四日。残り四週間足らず。国民全体が手に手を取ってこの独裁政権をうちのめよう(原文ママ)としているのにである。国民は嘗て国民党政権はけしからんと言ってカンカン怒っていた。ところが蔡英文政権はもっと悪い典型的な独裁政権である全て我が意のママに事を運んでいる。おまけに同性愛を立法化した変竹林な政権である。同性愛は人類史上自然発生的に出来た現象であって、ほったらかしておけば良いものをわざわざ立法化する事態が変態である。女婿が女性で、嫁は大の男。これは変態としか言いようが無い。それをわざわざ立法化する事自体が変態である。民進党は台湾を変態国家にしようとしている。我々は変態ではないし変態になりたく無い。変態を押し付けられるのは我慢が出来ない。くたばれ民進党!

これは国民党公式サイトの一般ニュースに表示されたもの。現在では削除されています。

実際サイトを訪れればわかりますが、誰かが勝手に意見を投稿できるようにはなっていないので、サイト管理者が誰かが書いたものを掲載したことは間違いないでしょう。

概ね日本語として通じる文章ではあるけれど、ところどころおかしいのと、語彙が古臭い(「変竹林」は中国語にはない単語で、日本人もよほど年配でなければ使わない)ところから、日本語が堪能な年配の台湾人。もしかしたら日本語教育を受けた世代の台湾人が書いたものではないかと推測できます。

台湾では統一地方選挙に併せて行われる公民投票で、同性婚の可否などについての投票も行われます。台湾社会では主に若い世代で同性婚への賛成意見が多いものの、キリスト教団体などから反対意見も出ています。もっともこの文章を書いた人物が宗教的な理由から同性婚に反対しているかどうかは不明です。

同性婚反対意見でよく見られるのが、同性婚を認めたら国が滅びるというよなもの。まるで、同性婚が合法になったら国民全てが同性婚をして子供が生まれなくなってしまうと言わんばかりです。こうした論調は日本でも見られます。同性婚の合法化案件は、あくまで同性カップルに男女の婚姻と同等の権利を与えようというものです。別に全ての人が同性婚をしなければいけなくなるというものではありません。すでに同性婚を合法化している国はいくつかあるけれど、それで国中が同性婚になったり、それが原因で滅びそうになったりなどはしていませんよ。

ただ、一つだけこの文章に評価すべき部分があるとすれば、同性愛は自然発生なものであるとして同性愛そのものを排除しろとまでは言っていない点ですね。この点日本の同性愛差別論者と比べていくぶんましであるようにも思えます。

ともあれ、蔡英文政権を独裁政権などとけなし、同性愛を変態だなどと貶めたこの文章が国民党にとってもイメージダウンにつながるのは間違いない話で、削除したとはいえ後の祭りです。

段宜康立法委員は外省人

ところでこれを取り上げた段宜康立法委員は、江蘇省籍の外省人二世です。台湾生まれで中華民国籍であっても、省籍は親の代から受け継がれるようです。

日本ではいまだに「本省人」と「外省人」の対立があり、「本省人」は台湾独立を支持し、「外省人」は統一を支持しているというような非常に単純で頭の悪い認識を持っている層というのがあります。そういう半可通はたまに本省人のことを内省人などとありもしない用語で呼んだりもします。

しかし現実はそれほど単純ではないです。例えば段宜康立法委員は「外省人台灣獨立促進會」の設立メンバーでした。外省人でも台湾独立を支持する人はいるし、正名運動においても外省人が活躍していました。

逆に「本省人」の中にも蒋氏政権時代の洗脳教育によって自らを「中国人」だと任ずる人もいます。

そもそも本省人と外省人の対立などというのは古い話で、今の台湾で省籍を軸に政治を語る人間などいません。いまだに本省人だ外省人だと騒いでいるのは、それで台湾をわかったつもりになっている日本人ぐらいのものでしょう。