9月に漫画基地【埕】が台北駅北側にオープン

台湾では戒厳令時代から日本の漫画が海賊版として出版され、人気でした。民主化後は海賊版を出版していた出版社が日本の出版社と正式ライセンス契約を結び、海賊版で培ったノウハウで公式の台湾版を出版。現在でも日本の漫画は非常に歓迎されています。

台北の漫画業界は日本の漫画に偏重

しかし問題は、台湾人の多くが日本の漫画を受け取ることで満足し、台湾人の中からはなかなか優秀な漫画家が出てこないということ。この点ではラノベのほうが一歩先を行っており、日本のラノベも出版されてはいるものの、台湾人作家も続々と出てきています。私が見たところ今のところはまだ日本のラノベの流行を後追いした作品ばかりですが、日本のように競争が激しくなれば優秀なオリジナル作品も出てくるのではないかと期待されます。

現に、高雄MRTのマスコットキャラクターたちを主人公としたラノベ『前進吧!高捷少女!』は日本でも日本版『進め! たかめ少女 高雄ソライロデイズ。 (GA文庫)』が出版されるなどしています。『進め!たかめ少女高雄ソライロデイズ。』は翻訳版ではなく日本の作家による日本オリジナル版ですが、いずれはオリジナル版の出版があってもいいのではないかと思います。っていうかオリジナル版持ってるから翻訳してもいいのよ?

漫画のほうは少年誌などを中心に確かに台湾の作家も生まれてはいるものの、日本の漫画を上回る人気作はうまれてきません。

華陰街に【埕】オープン

台湾の文化部(文部科学省に相当する)は台湾の漫画産業振興を推進しており、その一環として9月に漫画基地「【埕】(Agora)」がオープンすることになりました。場所は台北駅から高架道路を挟んだ北側にある華陰街。総合ショッピングモール京站時尚廣の近くです。

華陰街は西側は旅行バッグや服飾品などの問屋街になっていて、東側は食堂街になっている短い通りでやたら古い建物が生き残っている下町的な雰囲気のところ。「【埕】(Agora)」はそこにある築50年のビルを利用して作られます。

設計者の許偉揚さんによれば、。【埕】は台湾語で空き地や広場を意味し公共性や共有性、オリジナリティを持つ場所として漫画の種子を育てる使命をもった場所とするために名付けたとのこと。

この場所は台北駅北側地下街にあるフィギュアショップなどが集まる地区とも近いため、将来的には「漫画エリア」のようなものにしたいという構想もあるようです。

4階建てのは、1階が台湾オリジナル漫画のショップ、2階と3階が展覧会などを開催できる多目的スペース、4階に漫画家のスタジオとなります。

将来この場所から日本でも有名になる漫画家が発掘されてくれるといいですね。

行き方

【埕】までは、台北駅北側地下街のY7出口を出て、台北駅を背に承德路を北に向かい、最初の路地=華陰街を左に入ったすぐのところ。台北駅の地下街は南側と北側2つのルートがあるので間違えないようにしてください。南北の地下街は台北駅の地下でつながっています。