今日は七夕

今日は七夕です。七夕はかなり古い中国の伝統節日で、おそらくは明代末から清代の間に台湾に伝えられました。農暦7月7日は日本で織姫と呼ばれる織女の誕生日で、本来七夕は女性が針仕事の上達を織女に祈る日でした。かつて針仕事は家事として重要だったというだけではなく、女性が収入を得られる数少ない職業の一つでもあったので、わりと切実な祈りだったわけです。

七夕の伝説

織女は玉皇大帝と西王母の7人の娘の末娘で七姐とも呼ばれます。それゆえ七夕は七姐誕とも言います。公式の暦は世界共通の太陽暦を使うようになっても神様の誕生日を太陽暦の日付にしてしまうなどという失礼なことはしないわけです。

織女というからには裁縫よりも織物のほうを職能としているはずで、現に台湾では紡績業者の守り神とされています。それがなぜ針仕事の上達を祈るようになったのかというと、中国にもともとあった行事と次第に混ざったからだと考えられています。今は織女が天帝の娘の中で一番手が器用だからという設定になっています。

後に七夕は女児節、つまり女の子の節句となりました。農暦7月7日はまた学問の神様である魁星爺の誕生日でもあるために男子は魁星爺をお参りする風習もあるようです。

七夕の伝説はおおむねこんな感じ。

孤児の牛郎は山で病気の牛を見つけ世話をしてあげます。その牛は実は金牛星が空から落ちて来たものでした。牛に導かれて地上に降りてきた織女と恋におち両思いになったものの、それは天の規律に触れるため、織女は母親の西王母(一説では祖母とも)に天に連れ戻されました。

そこで牛は、自分の死後に自分の皮で靴を作れば空に登れると教えます。牛の死後靴を作った牛郎は天上に登り織女と再開します。ところが西王母は簪を天の川に変えて二人を遮ってしまいました。しかし、そこまで愛し合う二人に感動した天の鵲が橋に化けて二人を合わせてあげました。それを知った西王母は毎年7月7日にだけ二人が合うことを許しましたとさ。

もう一つ伝説もあります。こちらでは牛郎と織女は玉皇大帝に認められて結婚するものの、ふたりとも結婚生活にうつつを抜かし仕事を怠けるようになってしまったため、怒った玉皇大帝が二人を引き離し、年に一回だけ会うことを許したというもの。こちらのほうがどちらかというとポピュラーになっていると思います。しかし、玉皇大帝は西王母よりもはるかな後代に作られた神格なので、こちらの伝説のほうが新しいバージョンかもしれません。

台湾では「情人節」

台湾では七夕は「七夕情人節」と呼びます。情人というのは恋人のこと。牛郎と織女が年に一回だけ出会える日だということで恋人同士の日ということになったわけですね。しかし七夕は上記のように針仕事の上達を祈る日であり、また女の子の日でした。情人節となったのはどうやら最近のようです。七夕自体は中国から伝わったものでも、その日を情人節とするのは中国にはありませんでした。もしかしたら現在は台湾のものをパクって中国でも情人節となってるかもしれないけどめんどうだから調べませんけど、少なくとも私が留学していた当時に中国に七夕情人節なるものはありませんでした。

台湾ではバレンタインデーも情人節と言います。日本ではバレンタインデーは製菓会社が女の子にチョコレートを買わせる日になっていますが、台湾では本来恋人同士がお互いにプレゼントをする日として導入されたようです。ただ、台湾では徴兵制があった時代に、徴兵に行っている間に恋人に逃げられないように、男性がやたらと女性をちやほやするようになりました。徴兵がなくなった今でもその風習だけは残っており、男の子が彼女の荷物を持たされているなんていう光景はよく見ます。その影響でバレンタインデーもどちらかといういと男性のほうが女性にプレゼントする日になりました。

七夕情人節が作られたのはバレンタインデーが定着した後で、これは台湾の企業が消費を押しあげるために日本のバレンタインデーの真似をして作ったもののようです。

ところで日本のホワイトデーは、女性が製菓会社に乗せられて一方的に男性にチョコレートをあげる日となってしまったため、お返しをよこせという女性の声を受けてまた製薬会社が今度は男に金を使わせるためにでっちあげた日です。

台湾ではバレンタインデーは男性から女性にプレゼントをする日なのに、なぜか日本からホワイトデーが輸入されて、これも行われるようになってしまいました。

本来の情人節、つまりバレンタインデーは現在では区別のために西洋情人節と呼ばれます。そして本日の七夕情人節、さらにホワイトデーの白色情人節までできて、台湾の男性はそのために女性に搾取されることになってしまいました。他はともかくホワイトデーについては日本の製菓会社がすまん。

台湾ではそんな男に貢がせる女はいやだということで、まだ経済発展をする前の純朴な中国人女性が嫁として人気になったことがありましたが、それは勘違いにほかならないと留学中に中国人女を間近で見ていた私は思いました。その後はベトナム人女性が人気になって、ベトナム人女性との結婚斡旋業者などもありました。今台湾にわりあいベトナム料理の屋台や店が多いのはそのせいです。

台湾人男性に比べれば、日本の男性はまだだいぶマシなんじゃないかなと思いますね。