台湾茶の種類

現在台湾で作られているお茶は大雑把に分けると3種類。半発酵茶、緑茶、紅茶です。半発酵茶は中国茶の分類だと「青茶」に入ります。ただ、台湾で青茶なんていう分け方は見たことないので半発酵茶としときます。

台湾のお茶は種類が豊富でどれもこれもうまい

台湾を代表するお茶はやはり半発酵茶です。茶葉には酵素が含まれており、茶樹から摘み取るとその酵素によって発酵が始まります。この発酵が始まる前に加熱して酵素を不活化したものが緑茶、とことん発酵させたのが紅茶です。

半発酵茶は完全発酵させていなければ全部半発酵なので、発酵度が50%という意味ではありません。

台湾の半発酵茶には、烏龍茶、鉄観音茶、包種茶、東方美人茶などがあります。

文山包種茶に代表される包種茶は半発酵茶の中でも特に発酵度が10%前後と低く、緑茶にも近い味わいを持ちながら、烏龍茶のような香気もあって、非常においしいお茶です。ただ、烏龍茶と違って茶葉を丸めて作らないので同じ量でもかなりかさばります。かさばるけど好きなのでなんとか持ち帰ります。

烏龍茶こそ台湾茶の中の台湾茶と言っていいでしょう。特に珍重されるのが梨山、阿里山、玉山などの海抜1000メートル以上の高地で栽培された「高山茶」です。味わいはすっきりと軽く、天然の甘味があり、花や果物のような香りがあって台湾の茶文化の精髄があるようです。でもお高いです。お高い高山茶はごくたまにとりだして、茶芸セットで完璧に淹れて飲むようにしています。

それ以外の烏龍茶は凍頂茶が有名です。凍頂茶は台湾烏龍茶の原点でもあります。凍頂茶は高山茶ほどお高くはありませんが、丁寧に作られたものは味が濃厚で飲めば満足感を得られます。私は凍頂茶が高山茶より安いからといってお茶として劣るとは思っていません。

鉄観音茶は本来は鉄観音という品種を使って作る烏龍茶のことでした。しかし、台湾では烏龍茶とは異なり焙煎をつよくして香ばしく仕上げる製法のものを鉄観音と呼んでいて、必ずしも鉄観音の茶葉を使って作るわけではないようです。猫空モノレールがある木柵の山で作られた木柵鉄観音が有名で、どっしりと力強い味の中にほのかに甘みを感じます。

金萱茶は品種改良によって1981年にできた比較的新しい種類のお茶です。福建から移植された硬枝紅心という品種と台農8号という品種をかけあわせて作られました。この「台農8号」がちょっと謎の存在でして、日本時代に移植されたアッサム種から作られた「台茶八號」という品種があるんですが、これと同じものかちょっと不明です。

台湾のお茶屋さんで金萱茶は烏龍茶と紅茶をかけ合わせて作ったという話を聞いたことがあり、そういうことなら台農8号=台茶八號なのかもしれません。

金萱茶はミルクの香りがすると言われており、実際はミルクかなと思わないこともないけど高山茶が持つ花のような爽やかさとはまた別系統のいい香りがします。女性に人気とかいうけどおじさんも好きです。

東方美人茶はもともとは膨風茶と呼ばれていました。ある時ウンカの害にあった茶葉をしかたなく使って製茶したものを売ったところ独特の風味で大人気になったといいます。それを周囲の人に話したら「膨風=うそやろ」と言われたために膨風茶になったのだとか。だだこれはちと眉唾の作り話ではないかと思います。

ウンカに噛まれた茶葉を使うというのは本当のことで、ウンカにかまれると茶葉の中に独特の成分がうまれてそれが香りと甘みを作り出すなどと言われています。そのへんの化学的なことはよくわかりません。

このお茶は発酵度が非常に高く、紅茶になるギリギリまで発酵させるので、茶葉は茶色で味も紅茶に近いものになっています。ただし、その香りと甘味は紅茶とはまったく違います。

日本時代には主要な輸出品の一つであり、特にイギリスで好まれ「オリエンタルビューティー」と呼ばれました。東方美人という名称はそれが逆輸入されたものです。

東方美人茶はわりと偽物が多く出回っているようですね。今うちにある東方美人茶は、新竹の山奥にある北埔という客家の街に行って、栽培から製茶まで自家製でやっているおとっつぁんから買った本物です。かなりお高かったけどそりゃあもうおいしいです。これ飲んだらダージリンなんか飲めませんわ。もちろんそのお店の場所も名前もおしえません。つっても、日本人のなじみの顧客もいると言っておったけど。

さてまあ、おおよそではありますが台湾の半発酵茶はこれぐらいの感じです。

緑茶については龍井茶と碧螺春などの品種が作られています。これは戦後台湾に渡ってきた中国人難民の需要に応える形で作られるようになったようです。中国ではお茶といえば常識的に緑茶のことですが、台湾ではあまり緑茶は作られていなかったのですね。

龍井茶は釜に茶葉を押し付けるようにして煎るのでぺったんこで、碧螺春はねじれてにょろーんとした形です。龍井茶は香りがよくすっきりとしてそれだけで何杯も行ける感じ。碧螺春は龍井茶より濃い目の味がして、お菓子といただくのが合っていると思います。台湾の龍井茶はさすがに友達が上海に行った時に買ってきてもらった西湖龍井よりは落ちるかなと思います。ただ最近は中国産は安全性への心配があるのでそういう意味では台湾で買うほうが安心できます。

紅茶はこれネタで別に記事書くのでここでは簡単に済ませると、今の日東紅茶の前身にあたる三井農林がアッサム種を移植したのが始まりで、今でもそのアッサム種や品種改良を経たものが紅茶づくりに使われています。

台湾のアッサム紅茶は渋みが少なくミルクティーにも合うけどストレートのほうがよりおいしく飲める気がしますけどこれは私の好みなのでそれぞれご自由に。

最近では東方美人に使うウンカに噛まれた茶をあえて完全醗酵させた蜜香紅茶という紅茶も作られていますがお高いです。紅茶の認識を改めなければならないほどおいしいけどお高いです。北埔のおとっつぁんも作っていて試飲させてもらいました。でもお金足りなくて買えませんでした。

台湾で作られているお茶はこれぐらいですね。茶葉の店で見かけるプーアル茶の丸い紙につつんだやつは香港経由の輸入品です。

まあそんなこんなでいろんなお茶がつくられている台湾ですが、茶葉の耕地面積は年々少なくなって国内生産量も減少の一途をたどっています。以前ドリンクスタンドでベトナム産茶葉が使われているのが問題になりました。そのとき、台北の茶葉の店でもベトナム産を混ぜて売っていると騒がれました。

私がいつもいく店は、ベトナム産も扱ってるけどちゃんと台湾産と分けてあり、台湾産は格段に高いです。でも質の悪い店だとまだ混ぜて売ってるかもしれません。ベトナム産のをやすいと納得して買うならいいけど、混ぜものを台湾産と偽られて高く売りつけられるのはバカバカしいですよね。