東アジアユースゲームズ台中での開催中止は明らかに中国の圧力によるもの

昨7月24日、台湾の中華オリンピック委員会は、2019年の8月に台中で開催される予定だったユース世代のスポーツ大会「東アジアユースゲームズ」の中止を発表しました。これは、北京で行われた会合に参加した各国の多数決により決められたものです。

台湾正名運動に対する恫喝か?

北京で行われた会合に参加したのは「東アジアオリンピック委員会」を構成する9つの国・地域のオリンピック委員会のうち、グアムを除く8つの国・地域。そのうち、台中での東アジアユースゲームズ開催中止に賛成票を投じたのは、中国、香港、マカオ、韓国、北朝鮮、モンゴルの6カ国です。台湾はもちろん反対、日本は重大な案件であるから再度の協議が必要だとして棄権しています。グアム?って思った人のために解説しとくと、グアムは大雑把に言ってアメリカの中の自治領域なので独自のオリンピック委員会を持ち、独自の代表選手をオリンピックに参加させています。

東アジアオリンピック委員会の現在の会長は中国の劉鵬。香港とマカオは中国の領土だし、韓国と北朝鮮はまあアレだし、その時点で結果は決まっていたようなもの。モンゴルが同調したのは経済悪化で中国から経済協力を受けているからでしょうね。要するに最初から出来レースです。

中華オリンピック委員会は記者会見で、会合では台湾で行われている「台湾」名義での東京オリンピック参加を目指す正名運動が議題に上がったことを明らかにしました。

そもそもなぜ決まっている大会の中止の是非が諮られなければならなかったのかが意味不明です。実はこれは、元軍人で台湾のオリンピック委員会前委員長の姚元潮が、署名運動のことを東アジアオリンピック委員会に密告したことがきっかけであるといわれています。つまり正名運動が盛り上がる台湾に対する恫喝であるとしか考えられません。

この理不尽な出来レースに対して日本がはっきり反対を示さなかったのは情けないところとはいえ、棄権したのはせめてもの救いでしょう。台湾外交部は日本の棄権に対して謝意を示しています。

蔡英文総統は中止の撤回を求めるとしていますが、組織を中国人が牛耳っている以上覆ることはないでしょうね。

ただ、中国政府は台湾人をナメすぎだと思います。中国人は強圧的に出ればおとなしくなる性質を持ちます。しかし台湾人はそうではない。1996年のはじめての総統選挙を前にして、中国はミサイルをぶっ放した。それで台湾人が萎縮すると思ったのでしょう。だが台湾人は萎縮するどころか中国への反発を強め、李登輝先生の当選が盤石なものとなった。中国が台湾を恫喝するごとに、台湾人意識は高まっていきました。こうした気概の点から見ても、台湾人と中国人はまったく違います。

中国はそういうことを全く学んでいない。だからまたこういうことをすれば正名運動も沈静化すると思ったのでしょう。しかし、実際にはそれは逆効果でしかない。大会の中止は覆らないだろうし、東京オリンピックに台湾名義で参加するのも難しいかもしれない。それでも、台湾人が萎縮して統一に向けて舵を取るということはありえません。