米共和党テッド・ヨーホー議員「一つの中国、一つの台湾」を支持

昨19日にアメリカ・ワシントンで開催された台湾-中国関係を話し合うシンポジウムで、共和党所属の下院外交委員会アジア太平洋小委員会会長:テッド・ヨーホー議員は「一つの中国、一つの台湾」を支持すると表明しました。ヨーホー議員はこれまでも2015年以来台湾へ武器を売却していない政府を批判したり(注:トランプ政権下で武器の売却自体は決定済み)、「台湾のWHA参与支持法案」を提出するなど、親台派として知られています。

「一つの中国、一つの台湾」とは

まず「一つの中国」とはなにかというと、“中国”を統治する政体は一つであるという意味で、そこで主張される“中国”には台湾も組み込まれていますし、チベットも東トルキスタン(現在のウイグル自治区)も内モンゴルも含まれます。

蒋介石とその息子である蒋経国の時代までは、中華人民共和国と中華民国がその正統性を双方で主張していました。

蒋経国が死んだのち政権を引き継いだのは、副総統であった李登輝先生です。このブログはニュートラルなメディアではないので李登輝先生には尊敬の念を込めて先生をつけます。

李登輝先生はその後中華民国の総統となりました。そして、それまで行われていなかった中国との会談を行うようになります。この両国の会談において同意されたと主に国民党が主張しているのが「92共通認識」。これは中国と台湾は一つの中国原則を堅持するが、その主体がどちらであるかは棚上げする」といったものです。この「92共通認識」の存在は、当時の当事者である李登輝先生が否定しておられます。

しかし、民選総統になる1996年までは、李登輝先生も一つの中国に2つの政体があると言うにとどまっていました。それは民選総統としての地位を固めるまでは国民党主席として一つの中国という主張を捨ててしまうと総統として民主化を進めることができなくなる可能性があったからでしょう。

李登輝先生は任期の終了が近づいた1999年にやっと中国と台湾を「特殊な国と国の関係」として、はっきりと中国と台湾は別の国であると主張しました。中国はこれを「両国論」と呼んで批判しています。

2000年の総統選挙で、民選総統としては第2代となった陳水扁総統は、2002年に台湾と中国は「一辺一国」であると発言。台湾を「我々の国家」と呼び、一つの独立主権国家であると明言しています。2002年は日本で始まった台湾正名運動が台湾に逆輸入されつつある年であり、翌年行われた正名運動のデモ更新では「一辺一国」の横断幕も掲げられていました。

中国としては、台湾側も中国を名乗っていてくれたほうがやりやすかったわけです。どちらも中国を名乗っているならば、どちらか一つに統一すればいいだけですから。

しかし、現在は違います。台湾人は別に中国の領土を欲しているわけではない。中華人民共和国が唯一の“中国”を名乗りたいならどうぞどうぞ、しかしそこには我々“台湾”は入らないよというのが一般的な考え方になっています。中国側としては台湾にこう言われては困るわけです。だから今は必死に台湾人優遇策をとっている。そして、台湾人に、我々も中国人であり、一つの中国には台湾が入ると言ってくれるように洗脳しようとしています。しかしまあ、そういうやり方は洗脳教育を行っている中国人に対しては有効でも、台湾人には有効とはいえません。

先ごろ統一派メディアが行ったアンケートで、若い世代に中国への反感が薄れている結果が出たなどと騒がれていましたが、中国に親しみを感じる、だから統一しましょうなどという単純な話にはなりはしない。むしろ「他国」としての中国に親しみを持つようになっているだけという解釈も成り立ちます。

ヨーホー議員はシンポジウムにおいて、台湾が発展できるように後押しすれば、中国も利益を得られるとも発言しています。あれだけアジアで反映していた香港が、中国に組み入れられてからは没落しているのを見れば、台湾も中国に侵略された後はたちまちのうちに落伍してしまうでしょう。

武力をちらつかせて得な方をとれよと脅すやり口は味方にすると頼もしいものなのでもっとやれ。