「大陸」ってどこの大陸のことですか?

今台湾では一般的に中国のことを「中国大陸」もしくは「大陸」と呼びます。中国大陸というのは、蒋介石が台湾を占領した時に言い出したことで、地理用語としては存在しないけれど政治用語としては存在します。それが今でも定着して使われているわけですね。

若い世代にとって台湾は台湾、中国は中国

例えば台湾のニュースなどを見ていて「陸客」と出ていたら「大陸旅游客」つまり中国人観光客のことです。「陸妹」だったら中国人の若い女性のこと。

しかし、中国を中国大陸などと呼ぶのは台湾人だけです。例えば我々日本人だったら中国と呼べば済むだけのこと。

「中国大陸」という言葉には、中華人民共和国を大陸側の中国と呼ぶのに加え、台湾を台湾側の中国とするという国民党占領政権による含意がある。だから中国を中国大陸と呼ぶ時、そこには本来大陸も中華民国の領土で台湾はその一部であるということを無意識にも認めてしまっていることになります。

しかし、やっと今太陽学生運動の世代の若い台湾人の中から、それはおかしいだろうという意見も出始めています。ネット掲示板などを見ていても「大陸」という書き込みがあったときに「どこ大陸だよ」というレスがついたりもします。

台湾が台湾であると同時に、中国は台湾とは全く違う別の国なんだから中国大陸などと呼ばず「中国」と呼べばいいじゃないかという考え方はだんだん広まってきつつあります。

また、中華民国は台湾占領後マンダリン、つまり今中国では普通話と呼ばれて使われている北京官話を強制しました。それを台湾では「國語」と呼びます。私が中国語で話していて日本人だということがわかると「あなた國語が上手ね」などと言われたりします。

それに対しても、國語などと呼ばず「中文」や「台湾華語」と呼ぶ層も出てきています。こういう草の根の意識の高まりが、将来的に台湾を中華民国から脱却させる力になるのかもしれません。