「タピオカ」は台湾発祥ではない

いやーすっごい頭わるい記事見つけちゃった。曰く、「タピオカ」が台湾発祥で日本でも人気の「ドリンク」だとか。曰く魅力的なタピオカが「飲める」だとか。つまりこの記事を書いたオネエチャンは、「タピオカパール入ドリンク」のことを「タピオカ」と呼ぶと思ってるわけです。

今一般的に「タピオカ」っつったらまあタピオカパールのことを指します。でもそれを入れたドリンクのことを「タピオカ」と呼んでるの初めて見た。

タピオカというのは南米原産のキャッサバの根っこからとれたデンプンのことです。その根っこはキャッサバ芋として南米や南洋、東南アジアで食用として利用されます。

沖縄のスーパーに行くと、タピオカを乾燥させたタピオカ粉が売られています。タピオカ粉は、沖縄の伝統菓子などに利用されます。

このキャッサバのデンプン=タピオカを球状に丸めて乾燥させたのがタピオカパールです。タピオカパールが最初に作られたのはどこだかはっきりしません。一説ではインドネシアで作られたともいいます。

台湾発祥なのは珍珠奶茶

現在「タピオカミルクティー」と呼ばれているものを台湾で珍珠奶茶と呼ぶのはタピオカパールからとられた名称です。珍珠っていうのは真珠のことです。昔は日本でも「タピオカ“パール”ミルクティー」と呼ばれてたんですけどいつのまにかタピオカミルクティーになってましたね。

台湾では粉圓、中国では西米露などと呼ばれるタピオカパールは、香港あたりで温めたココナッツミルクに入れたスイーツなどに利用されていました。いわゆるタピオカココナッツミルクと言われるスイーツは今でこそ冷やしたものがよく見られるけれど、中国人は本来冷たいものを好まないのでもともとは温かいものでした。タイ料理屋でも温めたタピオカココナッツミルクにバナナを加えて、ちょっと塩気があるデザートを食べたことがあるのでタイでももともとはそうだったのかもしれません。

一方台湾ではかき氷や甘いスープの具材として利用されていたようです。1987年発行の『香港・台湾ゲゲボガイド』を見ると、かき氷の上に着色した粉圓が乗せられたものが紹介されています。台湾の夜市でよく見る「青蛙下蛋」もタピオカパールを利用したお菓子です。

どうもタピオカパール入のミルクティーのようなものはもともとインドネシア、マレーシア、ベトナム、タイなどにあったようです。ただ、それに使われていたのはタピオカではなくサツマイモのデンプンを利用した球状のものだったとも言われます。

で、珍珠奶茶が出てくるのは1986年か1987年のこと。台南の翰林茶館は1986年に自分たちが発明したと主張しており、台中の春水堂は1987年に自分たちが発明したと主張しています。まあ真相はわかりません。それはどっちでもいいや。

ただ、もともと透明だったタピオカパールにカラメルを加え、黒っぽくして売り出したのとそれをミルクティーに入れて売り出したのは確かに台湾発祥です。

今台湾ではタピオカパールを粉圓、珍珠、波霸という3種類の呼び方をします。粉圓は主にかき氷などスイーツ系に使われたときに呼ばれる感じ。色ももともとの透明なものやカラーがついているものだったりします。そしてミルクティーに加えられる黒いタピオカパールのうち、小粒のものが珍珠、大粒のものが波霸と呼ばれます。波霸は本来巨乳という意味です。

とにもかくにも、台湾発祥だとはっきり言えるのは、タピオカパールをミルクティーに加えた珍珠奶茶のみなんですね。「タピオカ」自体はブラジル発祥だし、タピオカパールの発祥は一説にはインドネシアです。

キュレーションメディアは前に安い下請けに書かせた根拠がない医学記事を大量に載せたことで問題なって、医学系だと今では比較的まともな記事が出るようになっていますが、それ以外の記事だとテキトーなライターに書かせたテキトーな記事がまだまかり通っているんだなということがわかりました。