今日ちょっと蔦屋書店に寄って最近の台湾ガイドブックにはどんなことが書いてあるのかと数冊立ち読みしてみました。ターゲットが女性よりなのはあいかわらずだったけど、以前のようにどこの会社も似たり寄ったりという傾向はちょっとは薄れているようですね。で、その中の一冊に今回紹介する予定だった赤峰街が載っていたので、「日本人にあんまり知られていない」という切り口で扱うのが初手から頓挫かと思ったのです。
しかし内容を見て安心。出ていたのは赤峰街のどちらかというと北寄りにあるオサレショップばかりでした。内容的にはこちらとかすりもしません。
家庭的だけどおいしいお店が集まっている
赤峰街は、南京西路の三越の前を西にちょっと過ぎたあたりから北に向かって伸びている細い路地です。南京西路の中村というパンだかケーキだかの店の角を入ります。ここは規模は小さいけれどおいしいお店が集まったレベルが高いグルメ街です。
まずは赤峰小吃舖。おばちゃん2人できりもりしている本当に小さな食堂です。
ここの特徴は、他ではあまり見られない個性的な麺料理がおいてあること。
初めて行った時は魯肉飯を食べたけど、私はあまりおいしいとは思いませんでした。ここでは麺料理をおすすめします。あと滷肉飯は魯肉飯です。日本人の中には一字違うだけでこっちとあっちはどう違うとかわけわかんない定義付けをしたがるやつがいるけど同じものです。
薑絲木耳拌麵。細切りしょうがとキクラゲのまぜ麺です。拌っていうのはまぜるという意味。独特の味付けでおいしいです。
そして私的にイチオシなのが薑絲蚌麵。蚌ははまぐりのこと。台湾人ははまぐりが大好きです。一般的には蛤仔、蛤蜊と書かれます。あとあきらかにこれあさりでしょっていう貝も蛤仔、蛤蜊と呼びます。
あとこのお店は小菜もおいしいです。
これは豬耳朵=豚の耳。
黑白切。黑白切というのは、小菜のおまかせ盛り合わせ的なもの。多くは豚のモツなどが入ります。この店のはなぜか植物性のものばかり。日によって違うかもしれません。
続いて赤峰小吃舖の手前の路地にある川畝園麵食館。麺っていうのは小麦のことで、つまり「粉もん」のお店です。
メニュー。
初めて行った時に注文した牛肉蒸餃。これがすごくおいしかった。湯包のように皮の中にスープがたっぷりはいっています。
これは別の日に食べた木須炒麵。キクラゲ焼きそばです。というわりにはキクラゲの量が少ないですが。このお店、焼きそばに刀削麺を使います。刀削麺焼きそばはこのお店のオリジナルではありません。でも台北では希少だと思います。私の知識内だけだと刀削麺焼きそばを出すのは他に1軒しか知りません。
太めのもちもちした刀削麺で作る焼きそばは、台湾で一般的な柔らかい細麺のものより歯ごたえがあっておいしいと思います。
台北のこうした麵食館系では定番スープ酸辣湯。台湾の酸辣湯は中国の酸辣湯より辛味がおだやかで、ほのかな酸味が食欲をそそります。あと具だくさんです。
そして赤峰小吃舖の斜め前にある福州老舖。100年の老舗ということなので日本時代から続いているお店ですね。
祖伝秘方は先祖伝来の秘密レシピってことです。
食べ尽くせないほどのたくさんのメニューがあります。
このお店の向かいに芸能人がおいしいと紹介した小さなお店があり、やにわに行列ができるようになりました。私はそんな行列を尻目にこちらを選びます。
これが先祖秘伝の滷肉飯。なんていうか“魯肉飯の原点”みたいな感じです。一般的に食べられている魯肉飯よりも甘みが少なく、肉質はかなり長時間じっくり煮込んだ感じで噛むと味が滲み出てきます。飛び抜けておいしいわけではないが何度食べても飽きが来ないような味。おいしいお店が多すぎてもうどこへ行けばわからないという時はここで食べるようにしていました。
別の日に行った時に滷蛋を追加。いっしょに食べるとなおおいしいです。
もう一つおすすめがこの綜合湯。ワンタン、魚丸、貢丸の3種類が入っています。これ絶対に手作りだよねという味です。
赤峰街は中山駅も近くて行きやすく、おいしいお店が揃っているので、三越の地下の鼎泰豐なんかに並ぶよりこっち行くほうがいいと思いますよ。