小籠包と小籠湯包と灌湯包子の違い

日本人は言葉の意味を探求せずに、なんとなくニュアンスで意味不明な分類をしたがる特徴があります。例えばパンケーキとホットケーキ。甘いクリームとかフルーツを乗せたのがホットケーキで、食事系がパンケーキだとか、その逆だとかわけわかんない分類をしていますが、パンケーキもホットケーキも同じものです。パンケーキっていうのはフライパンで焼いてつくるケーキという意味に過ぎず、そんな細かい分類なんぞはないんですよ。

以前わりと有名な台湾在住者が書いてるブログに小籠包と小籠湯包と灌湯包子の違いの考察が書いてあって、なんか入ってるスープの量で呼び名が違うんだみたいなわけわかんない結論に達していたので盛大に吹きました。

特に大きな違いはない

まず小籠包。これは、蒸籠で蒸して作る小さい包子の総称です。私は西安に留学していましたが、現地で日本人がイメージする小籠包とはまったく違う、いわゆる肉まんの小さいやつが蒸籠に並んでいる「小籠包」を売っている店がありました。小籠包=スープ入りというのは日本人が勝手に描いているイメージにすぎません。

次に小籠湯包。これは小籠包の中で、皮の中にスープが入っている種類のものです。日本人が小籠包と思っているものは小籠包の中の湯包という一つの種類です。

西安には灌湯包子という小籠包の一種があります。灌湯というのはスープが注がれているという意味です。西安では西域の影響でスパイスをよく使います。西安の灌湯包子も具にスパイスが使われており独特の風味があります。ただ、灌湯包子自体はどうやら揚州が発祥のようです。必ずしも灌湯包子=スパイスが使われているということでもないようです。ちなみに小籠湯包も灌湯包子も外見はほぼ変わりません。

つまりは、小籠包は点心の中のカテゴリーの一つ。小籠湯包と灌湯包子はその中のスープ入り包子の種類といいうだけ。小籠湯包と灌湯包子は、味こそ違えど同じようなものです。おそらくは地域によって呼び名が違うというだけでしょう。そして地域によって味付けも違っているというだけのこと。台湾には戦後中国の様々な地域から中国人が流入したので、小籠湯包と呼ぶ人も、灌湯包子と呼ぶ人もいました。今は小籠湯包と呼ぶのが主流なだけ。スープの量云々というのはまったくの的外れです。

あと、私が知っている日本語世代のお年寄りは、日本人が小籠包を食べたがると「あんなものは中国人が持ってきたものだからわざわざ台湾で食べなくてもいい」とキレます。