台湾という国について

台湾を国家と認めていないのは中国と中国人ぐらいなもので、国際法上は独自の領域・人民・主権をもっていればそれは国家と定義されます。この意味で言えば台湾は、台湾本島・澎湖島・金門島・馬祖島と周辺島嶼を領土に持ち、およそ2400万人弱の国民を持ち、独自の憲法と統治機関をもった独立国です。

中華民国憲法下にある問題

ただそこには問題もあり、まずその憲法は「中華民国憲法」という外来政権がもたらした憲法であるということ。この憲法の原文を見てみると、具体的な領土規定の記述はないものの、第一章総綱に「中華民国の領土はその固有の疆域に依り、国民大会の決議を経なければ変更はできない」とあって、国民大会の決議というのは行われていないため、いまだ中華民国が台湾を占領した当時の領土、つまり今の中国が持っている領土までも領有しているということになっています。

もちろん蒋家独裁が終了して以後は、実際の台湾の領土は上記の台湾本島とその他島嶼だけということになっているものの、憲法上はまだ変更はできていません。そもそも領域の変更を決定するという国民大会は2000年に廃止されています。

ところが憲法上はまだ国民大会の規定があり、しかもそこにはモンゴルやチベットからも代表を選出すると書いてあります。

ゆえに李登輝元総統は「古くなった大きなコート」は脱いで、身の丈にあったものを着るべきだと訴えておられるわけです。

しかし、民選総統を頂く民主国家になりながらも、中華民国憲法を捨てて台湾の憲法を持つまでには至っていません。

当然、時代力量など若い世代の台湾独立派政党を中心に、人民公投(国民投票)によって台湾新憲法を制定すべしと訴える国民もいることはいますが、まだそれが実現するという段階にまでは至っていません。なぜならば、統一派勢力が強いというよりも、実際台湾が中華民国という外来政権体制を脱し、本当の意味での独立を果たしたときに中国の軍事攻撃が発動すると考え、またそれを恐れる台湾人が多いからです。メディアのアンケートでも、台湾は中国ではないとは認識しながらも、現状維持を求める声は大多数なのです。

このような、非常に大きな問題を含みながらも、だからといって台湾が独立国ではないとは言えません。当然中国の領土であるはずもないですね。