民進党台北市長候補に陳時中衛生福利部長を擁立

台湾は11月に各地の県・市長を決める選挙が控えています。

ここでまず先に説明しておくと、台湾の行政区分は日本とは異なるということ。詳細はめんどくさいんで省くと、現在台湾には直轄市、県、市の3種類の大きな行政区分があり、これが日本の都道府県にあたります。

台北市、新北市、桃園市、台中市、台南市、高雄市の6箇所は行政院に直属する直轄市で、特に首都台北市、台北市を取り巻く首都圏を構成する新北市の市長は重要。

また、陳水扁氏、馬英九氏が台北市長を経験してから総統になったことから、台北市長は総統への登龍門だと言われることもあります。

台湾の与党民主進歩党は、昨日台北市候補に陳時中衛生福利部長、新北市長候補に林佳龍元台中市長を擁立することを発表しました。
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八音才子黃文擇大師逝去

台湾の布袋劇は、代表的な霹靂シリーズにハマった脚本家の虚淵玄氏が企画した『東離劍遊紀』が制作されるなどして日本でも人気が高い文化です。

布袋劇は元々は中国から移民が伝えたものでした。しかし、戦後に台湾で急激に進化をとげ、今では台湾独自の文化となっています。

初期の布袋劇はごく簡単なパペットで西遊記や三国志などを演じていたようです。その舞台も夜市や廟会に設えられるごく小さなものでした。

その布袋劇にドラスティックな変革を与えたのが霹靂布袋劇です。

霹靂布袋劇は素還真というキャラクターを主役に据えたオリジナルの武侠劇で、はじめはオリジナルビデオ作品として作られ、後にテレビ布袋劇として放送されるようになります。

その特徴は激しいアクションとSFXも駆使した特撮ばりの演出。現在ではCGも駆使されます。人形も少しずつ大型化し、複雑な動きができるようになって、アクションだけでなく緻密な演技までできるようになっていきました。

また、キャラクターの顔も少しずつ整えられ、それに伴い女性からも支持されるようになりました。

本家霹靂シリーズでは『東離劍遊紀』を上回る過激で派手なアクションが見られます。

そうして次々と布袋劇の伝統を打ち破ってきた霹靂シリーズですが、古来よりの伝統を守っていることがありました。それが、キャラクターが登場する時、必ずそのキャラクターを詩で表した「四念白」が念じられること、そしてもう一つが一人の口白師傅(口上師)が女性も含む全てのキャラクターの声を担当することでした。

霹靂シリーズを代表する口白師傅が黃文擇大師です。黃文擇大師は霹靂シリーズの初期から口白師傅を務め、その多才な声と演技の使い分けから「八音才子」と呼ばれました。黃文擇大師がいたからこそ、霹靂シリーズの人気が確固たるものになったと言っても決して過言ではありません。

その黃文擇大師が、昨日6月12日に逝去されました。享年66歳。

黃大師は今年公開された劇場版布袋劇『素還真』でも素還真を演じておられ、まだまだご活躍が期待されただけに早すぎる逝去が残念でなりません。

これまでの偉大な功績に敬意を示し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

端午節

今日は農暦5月5日の端午節です。

端午節の起源は俗説では楚の屈原に求められますが、実際には屈原が生きた戦国時代よりも古く、中国南方の龍(もしくは蛟?)をトーテムとする越人の文化だったというのが定説になっています。越人ってのは百越とも言われるように中国南方に住んでいた様々な部族の総称で、かつては異民族扱いでした。そのうちの一部の部族が春秋時代のころに越の国を興し、隣接する呉に粘着プレイをするようになったあたりから認知されるようになりました。時代が下るにつれて拡張する「中国」帝国に飲み込まれることでいつしか中国人の一部ということになっています。

日本で言えば、九州の熊襲や隼人が大和朝廷の侵略に飲み込まれて日本人の一部になっていったようなものです。
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白沙屯媽祖進香始まる

本日より毎年恒例の宗教イベント「白沙屯媽祖進香」が始まります。

台中の北側に位置する苗栗県。その海沿いにある白沙屯の拱天宮は清代に創建された伝統ある媽祖廟です。

進香は日本語にすれば巡礼ですが、ムスリムのメッカ巡礼とは異なるのは天上聖母による遶境、つまり巡行が行われ、信徒はそれについて歩くということ。

目的地は苗栗の南にある雲林県の北港朝天宮です。直線距離でもおよそ130kmある行程を8日間かけて往復します。

白沙屯媽祖進香の最大の特徴は、ルートが決まっていないということ。

先日行われた大甲媽祖遶境は、基本的には遶境のルートが決まっています。それに対し、白沙屯媽祖進香は決まっているのはスタートとゴールのみ。途中のルートは天上聖母にお伺いをたて、お告げによって決められます。

昨日行われた起駕式、つまり朝天宮の天上聖母を神轎うつっていただき、出駕の準備を行う儀式には蔡英文総統、頼清徳副総統も参加しました。白沙屯媽祖進香は、国の行事ではないのに総統、副総統が揃って参加するほど重要な伝統行事なのです。

起駕式の後、本日午前2時に遶境が出発し、それにともない進香の行列もスタートしました。

進香は誰でも参加できるわけではなく、ワクチンの3回接種が完了している人のみが参加できます。にもかかわらず今年は9万人という史上最多の参加者があり、現在北港へ向かってひたすら歩いています。

李明哲氏が台湾に帰国

2017年に中国で不当に逮捕され、服役を強いられていた台湾人の李明哲さんが本日5月10日、5年間の刑期を終えて台湾に帰国しました。

李明哲さんは台湾生まれの外省人2世。元は統一派の新党に参加していたところ、大学で自由思想の啓発を受けて民進党の職員となり、後にアメリカでの台湾独立運動を率いていた黄文雄氏(日本で作家活動をしている黄文雄氏とは別人)が設立したNGO組織・人権公約施行監督連盟に参加して主に中国の人権改善、民主化を訴える活動をしていました。
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ロシア劣勢で中共が台湾侵攻を見直すという説はバカな楽観論でしかない

ロシアがウクライナに侵略戦争を仕掛けてからすでに2ヶ月半弱。日本ではウクライナ側の奮闘とロシア軍のグダグダぶりが報じられ、もはやロシアの勝利はありえないように思えます。

ロシアの劣勢が伝えられるようになってから、日本ではこれを教訓に習近平が台湾侵攻を見直すのではないかという意見が出始めました。内容的には、これで中国も台湾侵攻をあきらめるに違いないというものから、侵攻をするにしても戦略を再構築するだろうというものまで様々です。まあ日本語はあやふやな言語なので一口に「見直す」といってもその振れ幅は大きいです。
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【訃報】彭明敏先生が逝去

本日4月8日の早朝、台湾独立派の最も重要な重鎮と言える彭明敏先生が逝去されました。

彭明敏先生は1923年(大正12年)生まれで、家族とともに上海、日本、台湾を転々とした後関西学院、第三高等学校から東京帝大に入学しました。しかし太平洋戦争が激化する中、親戚を頼って長崎に疎開することになり、その移動のために乗っていた船が爆撃を受けて左腕を失います。幸い命をとりとめ、長崎の病院で療養中に原爆により被爆。
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清明節

本日4月5日は二十四節気の一つ清明節です。清明節ってのは日本ではなぜかマイナーな節日で、日本国内で清明節を重んじるのは沖縄ぐらいでしょう。

沖縄では清明節を「しーみー」と呼び、まずお墓を掃除してから墓前で宴会を行います。

この清明節にお墓を掃除する風習は中国から伝わったもので、沖縄と同様台湾にも中国からの移民が伝えています。
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バイデン大統領の特使と蔡英文総統が会見

本日3月2日、蔡英文総統とバイデン大統領の特使との会談が行われました。

今回アメリカ政府の訪問団を率いて台湾を訪れたのは、元アメリカ統合参謀本部議長のマイケル・グレン・マレン氏。メンバーには元国防次官のミシェル・フロノイ氏、元国家安全保障副顧問のメーガン・オサリヴァン氏、元国家安全保障会議アジア上級部長のマイケル・グリーン氏及びエバン・メデイロスら。
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【228事件75周年】台湾は中国には属さない独立国であり「正統中国」などではない

本日は台湾では228事件の紀念日にあたり、今年は228事件勃発から75周年にあたります。紀念日は単純に訳せば記念日となりますが、日本語の記念日とは少しニュアンスが異なり、どちらかといえば何かの事件に遭った方々を祈念する日になります。

228紀念日における台湾政府の公式紀念式は、例年なら台北の228和平公園で行われるところ、今年は基隆で行われました。

台湾政府からは蔡英文総統をはじめ、蘇貞昌行政院長、游錫堃立法院長などが参加。蔡総統は式典での挨拶でロシアの侵略に抗戦するウクライナに触れ、総統として台湾を団結させ、民主を護ることがこれまで私が堅持してきた責任ですと述べました。

さて日本には、台湾を擁護しているつもりなのかなんなのか「台湾こそ正統の中国だ」などと主張する知能が低い連中がいます。

中国は偽物だ、台湾こそ本物の中国だと言いたいのでしょう。どれだけバカなのかと。

我々こそ正統な中国であると主張したのは、台湾を占領した後の蒋介石及び国民党政権です。

では蒋介石の政権が台湾で何をしたか?

228事件とそれに続く白色テロで台湾人を虐殺し、38年にも及ぶ戒厳令を敷いて台湾人の自由を奪い、小さい面子から国連から脱退して台湾を国際社会の中で路頭に迷わせました。

李登輝政権になってから行われた調査では、228事件の犠牲者は1万8千~2万8千人だとされました。この犠牲者数にはその後白色テロによって不当に逮捕されて処刑された人数は入っていません。

台湾は李登輝という奇跡的な政治家が総統の座につくことで、奇跡的な民主化を果たしました。それ以降台湾は蒋氏政権が掲げた反攻大陸などというバカな妄想は捨て、我々こそが正統中国であるなどという主張もやめました。

そのかわり李登輝総統は二国論を、陳水扁総統は二国論を補完した一辺一国論を掲げ、台湾は中国から切り離された独立国であるという立場をとるようになりました。

台湾が正統中国だなどと主張していたのは、台湾を占領し台湾人を虐殺した蒋介石ぐらいのものです。

蒋介石による台湾占領以来、台湾人はずっと台湾が台湾として独立を保つことを願ってきました。台湾が中共に成り代わって中国の正統統治者になりたいなどと考えている台湾人などいません。

現代台湾で台湾こそが正統中国だなどと主張すればキチガイだと思われるだけです。

台湾が正統中国だと抜かしている日本人もキチガイ扱いでいいと思います。

日本人として言うべきことは、台湾は中国になど属さない独立国であるということを支持することです。